しらぼ、

松本真青がSFを書くとこうなる。

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語 10

 

ここまでの旅を読みたい人はこちら↓

 

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語1 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語2 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語3 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語4 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語5 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語6 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語7 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語8 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語9 - しらぼ、

 

 

9:00

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外がだいぶ明るくなった頃、クラクションの音が耳に聞こえてきた。今回はバスの揺れに怯えることもなく、深く眠れていた。


外を見ると曇った天気模様の中、多くの車が行き交っていた。黄色いタクシーが多い。かなり発展した地域だ。コルカタには入っているはずなので到着はもうすぐだろう。


T君も同じタイミングくらいで起きた。が、外をしばらく見るなり、とりあえずまだ到着していない事を確認し、また眠り出した。

 

次第にバスが速度を落とし、やがて側道に停車した。片側3、4車線の大通りだ。どうやら着いたっぽい。僕はバスを降り後方に積んだ荷物を取りに行く。一緒に乗っていた少年が荷物を取ってくれたのだが、案の定チップをせがんできた。こういった対応にはもう完全に慣れたのでアッサリシカトする。


僕らを乗せたバスはまた次の目的地に向けて排気ガスを撒き散らしながら走り去っていった。今回の旅では最後の深夜バスになるだろう。遠くに去っていくのをぼんやりと見届けていた。


トイレをずっと我慢していた僕ら3人はすぐさま道路脇の壁に向かって並び、立ちションを開始。まずはJ君、その右にT君。その右に僕。って並びなんだけど、僕の正面でちょうど壁が途切れてて、目の前にはパイプ椅子にもたれた警察官が数人。どうやら交番の裏だったらしい。


あっ、やべっ。

 

って思ったものの素直な僕の股間は堰を切ったようにオシッコを撒き散らした。完全に警察官に向かってオシッコ撒き散らしてるという有様。まぁインドだからなんも言われないだろうって思ったけど、そんな期待も虚しく、オシッコに気づいた警察官がすごい剣幕で僕らの方にやってきた。

 

多分、「オシッコ止めろ!!」みたいな事を怒鳴ってる。


いいじゃないか立ちションくらいって思ったんだけど流石に背中にアサルトライフル背負ってる警察官に囲まれると焦ってきたもんだから、とりあえず常識のない観光客って感じにしてたらすっごい言葉責めをされて解放された。

 

最悪チップとかたかられると思ったから何もなくて安心した。明らかにニューデリーやガンジス周辺、ガヤよりも警察官の態度が横柄になっている感じだ。

 


「とりあえず、何も無くて良かったね!」


って僕が言ったら、T君が顔を青くして、

 

「いや、やばいっす!無いんですよ!」


って言ってるから、ん??コイツは何言ってんだ??状態に。


どうやらT君、さっきのバスの中にケータイを忘れてきてしまったらしい。あ、そっちですか。


インドの旅で撮ったたくさんの思い出もあの深夜バスと一緒に走り去っていったみたい。すっごい落ち込んでるけど、日本とは訳が違うからバス会社もわからんし、追跡手段も全く無く、諦めてもらうしかなかった。


T君、どんまいっす。


とりあえず僕らはこのバスの降り口からまだ数キロ先の空港を目指す。


近くを走るタクシーを止め(というかガンガンタクシーから声掛けられる)、値段交渉。適当に数台のドライバーの値段を聞き、相場を予測してそれなりの値段で決める。この辺の流れはバイタクと共通。


タクシーに乗り込み、走り出す。

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テンションの異様に低いT君。

 

インドって言えばニューデリーの方が有名なのかもしれないが、コルカタの方がかなり発展している印象を受けた。もちろん、僕らの旅したルートで受ける印象も変わるのだけれど。区画整備された碁盤の目の道路が伸び、ひしめく様に建物が並ぶ。

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2.30分程乗って、ようやく空港に到着。乗る便は夜中なので、一度空港に荷物を預けて、コルカタ市内に行こう、という事に。


空港の入り口付近まではスムーズに来れたものの、肝心の荷物の預け場所がわからない始末。

 

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入り口付近のスタッフに聞いても、いまいちよくわからない。おでこ広いし。結局預けるまでに1時間ほどかかってしまった。うーん、難しい。

 

とりあえず飯でも食いますか!と、空港ロビー外のレストランへ。外国人向けなのでビールもバッチリ置いてあった。外がなかなかの暑さだったので、ガンガンに効いた冷房が気持ちいい。


適当にチャーハン的なやつとかを頼み(何食べたか忘れた)酒を飲みながら、どこに向かうか計画を練ることに。

 

とりあえずタトゥーいれようタトゥー!ってなってGoogleマップで調べてみるといくつか出てきた。


とりあえず空港から近い場所に目星をつけて、そこへ向かうことに。外に出て、タクシーを捕まえる。とりあえずグーグルマップを運転手に見せてそこまで送ってもらう。


わずか5分程の位置でここだ、と告げられタクシーは走り去っていった。僕らの目の前にあるのはまだ開店時間前のデパート。せめて開店時間が分かればいいが、時間も分からなければデパート自体が潰れてるかも分からない有様。僕らはとりあえず近くにあるはずの別のタトゥーショップを目指した。

 

途中、薬局らしき店があったので、ダニさされ用の軟膏を購入。ネット情報だと日本の虫刺されの軟膏ではインドのダニ、虫刺されには効き目がないらしい。病気なんかもそうだが、やはり現地のものは現地の薬で治すのが良いみたいだ。


しばらく裏路地をうろついたものの、タトゥースタジオはなかった。どうやら二つ目に目指した場所は誤情報らしい。


僕らはとりあえず空港に引き返しながら他のレストランを覗いたが、酒がないor営業してない店ばかりで、諦めてもう一度空港前のレストランに入った。暑い中を小一時間も歩いたのでレストランのクーラーはまるで天国だった。


先程とはだいぶ客の減ったレストラン。ビールを頼み、飛びつくように飲む。美味い!!やっぱりアルコール大事っす。僕らしか昼からビール飲んでないだろう、って思ったら他のテーブルにもウイスキーを飲んではしょっちゅう表に出てタバコを吸ってるおっさんがいた。


会計を済ませて、外へ。

表にいたさっき見たヘビースモーカーおっさんに声をかけられた。なかなかの酔っぱらい度だ。インドでは珍しい。

 

どうやら他の酒を飲める店を教えてくれるとか言ってるらしい。なんとも親切な。なんか地元コルカタの威勢のいいチンピラおっちゃんって感じ。


とりあえずレストランの脇のジュース屋?売店で使い勝手の悪すぎる2000ルピー紙幣を渡して両替を頼む。しばらく待っても両替を渡して来ないので待っているとその店員は、

 

「金なんて受け取ってない。」


としらばっくれてきた。

やってしまった。両替するのであれば相手が代わりの紙幣を用意してから最後に渡すべきだったのに、先にこっちから渡してしまったので、しらばっくれられた。

 

説得して回収も出来なくはないだろうが、かなり時間かかるのは覚悟しなければならない。


やっちまったーっ。

と途方に暮れたところでヘビースモーカーおっさんが、なんだ?どうした?って聞いてきたんで、一件を話すと、おっさんがポケットから2000ルピー出して僕にくれた。

えっ、なんだ、このおっさん、

神さまかよ!!本当にありがとう!


お店を紹介してくれるという事で、出会って間もないのに親切にしてくれたヘビースモーカーおっさんと共にタクシーに。後から何人か知り合いらしき人が乗り込んできてタコ乗り状態のまま空港から出た。


こういう、いきなり親切にされたりタクシー乗ったら知り合いが後から乗ってくるパターンってのは海外では犯罪に巻き込まれる典型パターンなんだけれど、インドでの生活に慣れてくるといちいち警戒したりする程でもないなって考えに変わってきた。なるようになるさ。


この日何度も通っている大通り沿いを進み、車を止めた。中に入ると少し薄暗いバーのようだった。

 

普通にビールやらウイスキーやらかなりの種類の酒が置いてある。

 

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ヘビースモーカーおっさんの奢りっぽいので、それぞれ僕らは酒を頼んだ。最近ビールばっかりだったのでおっさんと同じウイスキーにした。うん、美味い。ご馳走さまです。

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それからなにかと頻繁に電話が鳴るおっさん。小難しい顔で喋っている様子を見ると、どうやら仕事かなにかのようだ。電話を終えたおっさんはこれから用事があるからここでサヨナラだ。的な事を言って去っていった。

 

バーに長居してもしょうがないので、僕らも表へ出た。おっさんの友達?が外に止めたタクシーに乗って僕らを呼んでいた。とりあえず、タトゥーいれれる所に行ってくれ!と伝えた。


しばらく走る。酔ってるのであんまりどこ走ってるのかはよくわからないまま。しばらく走ると賑やかな通りに出た。車を降り、ダイヤモンドプラザというショッピングモールに入る。

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(拾い画像)

 

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中に入ると、正方形の建物の中心にエスカレーター、周りにいろんな店舗が入っていて、日本にもよくある普通のデパート。PARCOみたいなイメージ。おっさんの友達のおっさん(めんどくさいからおっさんと呼ぶ)に連れられてデパートの上の階へ。


最上階にまで上がると、なんとそこにもバーが。際どい感じの格好の女性が席に着いた。日本で例えるとキャバクラに近い。PARCOのデパートの最上階にキャバクラがあるような強烈な違和感を感じつつ、酒を流し込んだ。


小一時間ほど酒を飲んだ後、店を出た僕らは下の階に。3階に行くとタトゥースタジオがあった。

 

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僕は今回タトゥーを入れるのを断念していたので、J君とT君がデザインを決める。タトゥーを入れるのは少し順番待ちらしい。おっさんもそろそろ帰ると言い出したので僕らは一旦表へ。


ヘビースモーカーおっさんの心の広さについ油断してしまったが、結局着いてきたおっさんの方は案内料としてチップをせがんできた。結構揉めたのだけれど決着もつかないので妥協してチップを払う。まぁ案内してくれたし。


またPARCOっぽいデパートの3階に戻った後、J君とT君はタトゥーを入れ始めた。僕は暇になってしまったのでデパート内を散策することに。

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ゲーセンとかもあった。やろうとしたけれど、ルピーの現金をほとんど持ってないので辞めた。

 


3階にマッサージ店があったので、そこに行ってみると、カードの読み取り機はあるのに、カード払いじゃダメだ!現金でよこせ!とか言われてしまい断念。

 

グーグルマップで周辺を調べるとどうやらこのデパートの横のビルにマッサージ店があるらしい。表へ出て向かってみる。

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なんとも寂れたボロい建物を入るとエレベーターが。ただ、めっちゃ古くて格子状になったゲートのタイプ。途中でぶっ壊れたりしないだろうか。乗り込み、適当な階で降りると、中は廊下が延びていて、部屋がいくつもある。ラブホテルみたいな感じだ。

 

強烈なのは建物の造りもそうだが、頻繁に出入りしているのがまだ10歳くらいの少女ばかりだった。完全にアウトな雰囲気を醸している。


とりあえず一階に引き返すと、受付の様なところがあった。値段を見ると1時間あたり4000ルピー程。約6千円。完全にそっち系のお店だろう。ロリコンでもないし、幼女は勘弁なのでそそくさと表へ出た。

 

ダイヤモンドプラザに戻り、お土産を買う。カルカッタのバザーとは違い、整った商品が並んでいる。

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買い物も長くは時間が潰せないのでタトゥースタジオに戻ると、二人のだいぶタトゥーも進んでいた。あと1時間くらいだろう。


暇を持て余していると、さっきのカード使えなかった店の受付の人が話しかけてきた。どうやらカードでも払えるから来て欲しい、とのことだ。よっぽど店が暇なのだろう。じゃあ仕方ねぇな、と言いつつホッとしながら僕は3階のマッサージ店へ。

 

受付を済ませて個室に入る。完全にそっち系の紙パンツを履いて待つ。あれ?ってかほぼ確定なのだけれど結局エロい格好の女が出てきてご想像通りの展開に。インドのPARCOにはキャバクラもタトゥーもエロエロマッサージ店もあった。

なんでもアリすぎるだろ。


心も体もスッキリした僕が1時間後にタトゥースタジオに戻るとJ君とT君のタトゥーが完成していた。

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なかなかの出来。そして、値段も安かった。デザインの持ち込み等は日にちをとるかもしれないが、ぜひコルカタでタトゥー入れる機会があればダイヤモンドプラザで。


さて、各々目的も済ませたところで、空港に向かうことに。表でタクシーを拾う。夜の10時30分。日本時間では夜中1時半くらい。

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かなりパンチの効いたタクシーで、窓を開けてタバコを吸おうとしたら窓ガラスが外れそうになった。


10分程でまた空港に到着。あとは2、3時間暇を潰して帰るだけ、の筈なのだがここで問題があった。


そう、持ってるガンジャがまだ結構残ってるのだ。流石に検問を突破して日本に持って帰ろうなんてリスクは負えない。じゃあ捨てるか、三人立ち尽くし、そう考えた時だった。

 


「じゃあ、吸いますか。」

 


T君がそう呟く。その瞬間、満場一致で決まった。やっぱ捨てれないっしょ、ガンジャ

 


新聞紙に残ったガンジャを紙にパンッパンに詰めて巻く。最後に形を整えて、完成。周囲を見渡すと、いくら暗いとはいえ警備員がいたるところにいる。空港のセキュリティはバッチリだ。ここで吸うわけにはいかない。


空港の中に入る。どうやら隅のほうに喫煙所があるみたいで、そこに駆け込む僕ら3人。中にはちょうど人がいない。が、ガラス張りのケース状になった喫煙所は完全に周りから見える。


ええい、なんとかなるさ!という勢いでガンジャに火をつけ、3人で回す。焦ってるのも多少あるからか、ガッツリ深く吸い込んでしまい、バッチリ決まってしまった。数分で残りのガンジャも無くなる。この旅もやがて終わるのを感じた。

 

サヨウナラ、ガンジャ

 


喫煙所から出た僕らはフラフラした足取りでとりあえず食べ物を探しに行く。お腹ぺっこぺこだ。だが、あまり店がなく、しらけたカウンターバーがあるくらい。


どうやらチェックインして検査を受けた後のエリアにいくつか飲食店があるらしい。普通に考えたらこのブリッブリで検査は危険だが、もうお腹空いて我慢できないので早速行くことに。


荷物を通し、ボディチェックへ。

以前韓国の釜山港ターミナルでは検査官に呼び出された挙句携帯に撮ったたくさんのアダルトグッズ、ラブホテルのエロビデオ画像を見せるという恥辱を受けたので、あまりボディチェックにいい思い出はない。

 


銃を背負った検査官の前の小さな台の上に立ち、両手を挙げる。チューするんじゃないのってくらい顔を寄せてきたりポケットをチェックしていく。


ガンジャの匂いがしたら多分相当めんどくさいことになるぞ、と思い検査中は息を止める。絶対にキマッてるそぶりをすれば検査に引っかかる。少しの辛抱だ!


とそんな肝心な時だけどやっぱりガンジャ吸ってて愉快全開なもんだから、この検査官の顔がまぁー面白い。

 

なんでこんな顔してんの?みたいな、まるでインド人みたいだな、とか考えてしまうと今度は笑いを堪えないといけない。

かなりしんどい。爆笑したら薬物乱用者系と思われて検査されてしまう。飛行機に乗れるかもわからなくなる。絶対に笑ってはいけない。

 

松本、アウト!になる。


死闘の数分の結果、最後の方はめっちゃ舌を噛んで笑いを堪えて無事終了。

T君とJ君も無事終了。よかった。てかあの検査官顔面白すぎる。

 

無事終えた僕らは急ぎ足で飲食店エリアへ。モモ(肉無しの餃子)の店を発見し、大量に買う。うん、美味い!貪るように食べる僕ら3人の姿は結構いっちゃってる。

 

空腹を満たした僕らは、残りの時間を潰すべく、トランプを始める。旅してて思ったのは、様々な場面で訪れる待ち時間を攻略するにはトランプが一番だということ。もちろん、複数人の旅だが。

 


最後に吸ったガンジャが相当な量だったのか、結局飛行機に乗り込む時もフラフラとしながらなんとか乗り込む。


席は3人並び。飛行機が離陸した時、サヨナラインド!って気持ちになるかと思ってたけど、右も左もインド人ばっかりでカレー臭いからあんまり帰る実感湧かなかった。インド人ってやっぱり臭いな。

 

 

 

 

こうして、僕ら3人の12日間に及ぶ、タイ、インド放浪は幕を閉じた。

タイのバンコクではゲイを払いのけながら酒を飲み、1400キロを超える北インド横断は様々な、強烈な文化と人々と交わりあい、また一つ、成長出来た気がした。

 

そして一緒にノリで旅行に来てくれたJ君、T君に深い感謝を捧げる。

 

 

きっと僕ら3人は思ったに違いない。

 

またいつか、来よう…

 

 

 

 

 


ガンジャでも吸いに。

 

 

 


 

 

 

 


駄文、長文ですが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語9

 

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11/3 10:00

 


いつもより少し早めに起きた時にはまた新たなダニに大量に体を喰われていた。かきむしると血が出るので我慢する。

 


T君もJ君もまだぐっすりと眠りについていた。部屋のシャワーを使うと、前日まで泊まっていたホテルよりも幾らかお湯の出も良い。シャワーの後に大便すると、肛門がはちきれんばかりにヒリヒリとして痛かった。完全に栄養バランスを見失った食生活が祟っている。

 


これだけの期間を異国の地で過ごしてみると、案外英語とか無理でもなんとかなるという感覚が身についてきて、一人でぶらぶらしてみることにした。

 


外に出ていつもの道を歩く。数頭の牛と乞食とすれ違い、数軒のボロい家を通り過ぎる。いつものお店でアイスクリームを買い、頬張る。いつもの味がした。

 


砂埃を立てながら沢山の車が走る大通り、ドマハン・ブッダガヤ・ロード(もちろん後から知った)を無理やり渡り奥の道を進む。携帯で調べた感じだとこのあたりに飲食店やら出店があるようだった。

 


実際に着いてみるとほとんどの店がシャッターを閉めたまま。おっさんが一人、プラスチックの椅子に座ってタバコをふかしている。

 


なんとかカタコトの英語で会話してみると、どうやらほとんどの店が閉店している様だった。昔は日本人の日本料理の店もあったらしい。おっさんの骨董品店は一応開いていたが、客がいない間はこうしてタバコを吸っているようだ。

 


ついでにこれから向かうコルカタまでのバスのチケットの買い方を聞いてみた。普通、このタイミングでチップを渡さないと嘘をつくか、適当な返事しかされないのだが、このおっさんは丁寧に教えてくれた。そればかりか携帯を取り出してどうやらバスターミナルまで送ってくれる人を頼んでくれているようだ。本当にありがたい。

 


骨董品店を見てあげないといけないのかなと思ったら、誘い一つされなかった。とてつもなく優しいおっさんなのか、僕の見た目が余程金の無い旅行者に見えたのだろう。

 


しばらくするとバイクに乗ったもう少しだけ若めのおっさんが登場した。バイク2ケツで早速バスターミナルへ向かう。大通りに出て2、3分進んだ場所にバスターミナルはあった。わりと広く、バスもかなりの台数だ。30台くらいはある。バスに乗り込む人達の姿もあった。

 


受付らしきところで今夜乗れるバスを訪ねると、どうやらあったみたいだ。一人400ルピー。破格値だ。470キロ程の距離を600円で移動できる。

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早速どのバスか見せてくれ!と伝え、案内について行く。

 

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遠目で見て内心「このバスじゃありませんように。」と祈ったバスにぐんぐんと近づいて足を掛けたところで半ば諦めはついた。

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中を見ると前の深夜バスよりも一目瞭然で、ランクがだいぶ低い。


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これ絶対寝るの辛いだろ、ってか途中でブッ壊れないか?と心配しかないが、足元に割れたモニターが無いだけ良しとした。

まぁ、なんとかなるさ。


独断で決めるのは悪かったので、一応動画を撮り、一旦宿に戻ることにした。

 

部屋に戻った頃には12時を回っていた。まだ安眠を貪る二人。

しばらくすると起きたのでバスの話を伝えると二つ返事でオッケーとなった。とりあえずまだチケットを買いに行く時間は有り余るのでトランプに精を出す。

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しばらくトランプで遊んでいると、部屋にノックが。もしや…と思ったらやはりその通り。ビシャールがやってきた。

 


グッモーニンネー!

 


昨夜の落ち込み気味のビシャールとは一転、テンションが高い。多分吸ってから来たのだろう。

 


で、どうやら今日も案内をかましてくる訳ではなく、僕らに案内代のチップをせがみに来たらしい。気持ちだけ欲しい、とのことだった。

 


うろ覚えなのだけど、J君が1000ルピー、僕が500ルピー、T君は全くあげなかった。僕らからすれば充分過ぎる額なのだけど、よっぽど過去の日本人観光客が気前良かったのかビシャールは露骨に、マジかよ、って顔してた。うるさいな、気持ちだろ?文句言うなら金返せ。

 


さすがにこの空気の中でもっとくれ、とはビシャールも言えず、ブダーのご運あれ!とか、シヴァー!とか叫びながら帰っていった。最後までイカれた奴だ。でも、この旅を振り返ると絶対に欠かせない奴だったのも確かで、またいつか会いたいと思った。

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バスのチケットを取り、外の出店で適当にチャイを啜る。だんだんと日が暮れていく。3日ほど滞在したブッダガヤの濃厚な日々を思い起こすとこの土地を去るのは少し寂しく感じる。それと同時に最終日のコルカタではどんな事が起きるのだろうか、楽しみでもある。

 


だいぶ薄暗くなってきた。深夜バスに備えて近くの売店で適当なお菓子や水を買い込む。

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バスターミナルに入り僕らの乗るバスの前に来ると、この薄暗さといい、バスのデザインといい、なんとも不気味である。

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記念にT君に前に立ってもらって一枚。なんかどっかで見たことある絵だなと思ったらこれLDHのHiGH&LOWと同じだ!って気づいたので是非ともここでコラボさせて欲しい。

 

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うん、やっぱり違うかもしれん。

 


という感じで乗り込んだんだけど今回もなぜか二人寝台と一人寝台に分かれていてジャンケン。今度は僕とT君で一緒の寝台になった。あぁ、勝ちたかった。

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バスにエンジンがかかる。前のバスよりもあまりにうるさくてビックリしてしまった。バスが走り出すと共に車体は大きく揺れ、風が吹いてゴミが舞う。カーテンもバタバタとはためく。これがバスだなんて!誰が信じるっていうんだ!!


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とりあえず暇なので、トランプを始めることに。皆カードが飛んでいかないように手で押さえながらの大富豪。

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ラクションが鳴り響き、手で掴まっていないと寝台から転がってしまいそうな中の大富豪。当然ながら1、2回で諦めて辞めた。

 


適当に菓子をぽりぽりと貪り、眠りについた。人間の身体とは良く出来たもので、この荒れ狂う揺れにもだいぶ慣れた。

 

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約471キロ。9時間弱。
起きれば最終地、コルカタに着く。それはつまり、旅が終わりに向かうという事。長く、そしてあっという間のインド放浪を振り返る。そして日本に帰ったら、無事に日本に馴染めるのか心配になってしまう。

 


そんな事を考えているうちに、自然と眠りについた。

 

つづく。

 

 

次回はついに最終話!

警察とトラブったり、チンピラと酒飲んだり、空港でガンジャ吸いまくったまま身体検査を受けることに。無事に帰れるのか!?お楽しみに!

 

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語8

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印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語2 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語3 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語4 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語5 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語6 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語7 - しらぼ、


~前回のあらすじ~

山奥に潜むガンジャ仙人との死闘の末、ボロボロになりながらもかろうじて勝利した僕らは仙人から魔界の剣を譲り受ける。熱い抱擁を交わした後、仙人はゆっくりと瞼を閉じ、シヴァの待つ天へと、ゆっくりと昇っていく…

 

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18:20

もうブリッブリなのでさっきまでどういう絡みをしてきたのかよくわからないまま、西に沈んでいく黄昏を見ていた。きっと、あらすじみたいな感じだろう。

 


僕らを乗せたバイタクは元来た道を引き返していく。もちろんビシャールはブリッブリなので待っていたビシャールの知り合いが運転する。きっと最初からこのつもりで知り合いを連れてきていたのだろう。

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ウーファーから流れる爆音インドトランス。乾いた砂埃。無数のクラクション。頭を揺さぶりながら音楽に溺れるビシャール。そして彼が手に握りしめたリモコンが次々と曲を変えていく。

 


カオスたちを乗せたバイタクは荒れた道を駆け抜けていく。

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砂漠…じゃない、乾ききった河川を渡る時の夕日が綺麗だった。

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こうして今日もインドの一日が終わる。いま頃日本はどうなってんだろう。

 

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ブッダガヤに差し掛かる頃にはどっぷりと暗い闇が訪れていた。ビシャールが指差す方を見ると、昨日見た寺院が光り輝いて見えた。自然と、手を合わせる。

 


19:50頃、ようやく僕らはブッダガヤのビシャールの家に着いた。激しくお腹が空いていた。

 


「何か食べよう!僕がご馳走するよ!」

 


みたいなことをビシャールが言ったとき、僕らは耳を疑った。まさか、そんな筈はないだろう。あの勝手に会計一緒にするビシャールが。きっとまだガンジャが抜けてないのだ、という意見で僕ら一同は一致した。

 


ビシャールの家のすぐ脇に屋台が一台出ていた。まさにインドって感じのクオリティで、近所に住んでいるのであろう人々が料理を頼み、店の主人はせわしなく動いている。

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調理の様子を見ているとめっちゃ適当で、落ちた食べ物とかも3秒ルールみたいになんでも拾って入れてしまう。

 


不衛生極まりないあの料理を食べれば、確実にインドの洗礼を受け、腹を下すだろう。しかし、もうここはヤケクソみたいなもんで、やはり現地人と同じものを食べてみたかった。

 

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卵とキャベツと短く切った焼きそばの麺みたいなのを炒めてソースで味付けした奴。

 

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餃子(肉は入ってない)

 


結構シンプルなんだけどもうめっちゃ美味くてみんなで貪るように食べた。

店主がサービスで水まで出してきてくれたんだけど、すっごい白く濁ってて中に微生物みたいなの沢山漂ってたから一切飲まなかったら、何も知らないJ君がグラス掴んでグイグイって一気に飲み干してた。可哀想だからこれはこの先もずっと秘密にしておこう。

 


飯を食べおわった後に金を払おうとすると、「オーケーオーケー。」なんとビシャールか本当に払ってくれていた。雪でも降りそうだ。そしてどうやらビシャールに何か提案があるようだ。

 


「酒を買おう。」

 


とのことだった。僕が毎日、酒酒酒酒うわごとのように呟いていたからきっと気にしてくれていたのだろう。どうやらビシャールの家の近くで闇ルートの酒、つまり密造酒が手に入るらしい。

 


すっかり暗くなった夜道を黙々と歩く。土壁の家が並ぶ一帯を進んでいく。しばらく歩くとどうやら目的の家についたらしい。全員で行くと警戒されてしまうから一人だけ来てくれ、との事だった。酒の密造も飲酒も犯罪だからだ。

 


酒といったらやっぱり僕が行くかってことでJ君とT君を外で待たせて僕とビシャールで家に入った。入るとすぐ脇にまた扉があり、どうやらそこに人がいるらしい。扉を開けると中には入れてもらえず、さっきまで水を入れていたペットボトルを中のインド人に渡す。

 


ちらっと中を覗くと、じいちゃん二人が密造酒であろう液体を床に座って飲んでいた。顔が赤くなっている。

 


しばらくするとさっきのインド人が酒を入れてペットボトルを持ってきた。1.5リットルのペットボトルの半分くらいの量だ。少し濁っていてポカリみたいな色合い。500ルピーを渡すとすぐさまバタン、と扉を閉めた。案外簡単に手に入った。

 


街灯も一通り無く、満天の星空の下、密造酒片手に僕らはビシャールの家に戻った。

 


とりあえず大量の蚊を線香で殺戮し、ビシャールが持ってきたプラスチックのゴミみたいなコップに酒を注ぐ。

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匂いはあまりしない。一口飲んでみる。うん、不味い。

 


ぬるい梅酒に消毒液と砂糖を混ぜたような味だ。一応アルコールは入ってるようで、ある程度飲むと酔ってくる。そして一気に吐き気が襲ってくる。僕らはウエェウエェ言いながら飲み、ビシャールは美味しそうに飲んでいた。こればかりは日本に生まれて良かったと感じた。

 


※密造酒はかなり危険なので絶対マネしないで!

怖っ…インドで密造酒を飲んだ100人以上が死亡している件 - NAVER まとめ



 

 

 

右手に密造酒、左手にガンジャ

 


密造酒とガンジャを交互に吸っては飲みを繰り返す。カオスの跳満ってところか。いつの間にか居なくなっていたビシャールが帰ってきて、得体の知れない料理を持ってきた。肉をソースで煮込んだ様な料理。

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よく肉が手に入ったなと思ったけど、怖くてなんの肉なのかは聞かなかった。マンチなので早速手づかみで肉を食べていく。うん、美味い。甘辛い酢豚みたいな味。

 


で、結局夜の0時を超えてそろそろ帰るかってなったのだけど、戻って泊まる宿を決めておらず(昼間にチェックアウトしていたのを書いてなかった)、とりあえずもう一回泊まればいいかと思って宿に戻った。

 


宿の入り口までいくと流石に時間が遅くて閉まっていた。隣も宿だったのでそちらを訪ねたら入れた。一人500ルピー。背に腹はかえられない。

 


宿に入ると、まぁ隣と同じクオリティ。なぜかついてきたビシャールも一緒に部屋で寝ようとしていたから全力で断った。良いわけないだろ。

 


寂しそうに帰るビシャール。入り口のドアからそっと覗くビシャール。いいから早よ帰れ。

 

 

 

僕らは貪るようにベットに転がり込み、眠りについた。

 

 


つづく

 


次回はついにブッダガヤからの旅立ち。カオスな深夜バスで最終地コルカタを目指します。

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語7

 

ここまでの旅を読みたい人はこちら↓

 

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語1 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語2 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語3 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語4 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語5 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語6 - しらぼ、

 

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ぶっはー!!

 

 

11月2日 12:00

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同じ宿にそのまま連泊した僕らは昼頃まで寝ていた。この先の旅を考えるとブッダガヤで連泊するか、先を急いでコルカタに行くか、の二択なのだけど、ブッダガヤの喧騒のない雰囲気が気に入ったとか、ビシャールがぶっ飛んでて面白いとか、これまでの弾丸移動続きの疲れとかもあって、もう少し、この土地に居てみようと思った。

 


4日の深夜に飛行機に乗れさえすればいいので、ようやくこの旅に余裕が出てきた。コルカタまで車でも8時間半、列車なら尚早く着く。

 


起きたのは昼過ぎ。この部屋の何が嫌かってダニがめっちゃ激しくて、起きたら更にもう刺すとこないんじゃないのってくらいビッチリ刺されていた。

 

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T君は気に入った覇気カットにスプレーで更に輝きを放っていた。

 

 

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そしてみんなで巻き巻き。

もうこのくらいの日数になると初心者の僕でも結構綺麗に巻けるようになっていた。

 


昼2時過ぎ。外に出てみると、もう早速ビシャールが会いに来ていた。カーンの時もそうだったけど、とにかくホテルの外にセーブポイントみたいに待機している。よっぽど日本人旅行客が良い「カモ」なのだろう。

 


とりあえず写真。

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左のコスプレは僕です。

 


昼飯を食べに行こうぜ!というビシャールの提案で、僕らは近くのバイタクを拾いにいく。その前にとりあえずまた売店でアイスを食べて、両替所へ。

 


とりあえず3万円分を円からルピーにしてくれ。って言ってカード渡したら、オーケーオーケー言ってるインド人店主に間違えられて3万ルピーでカードを切られてしまった。

 


日本円で4万5千円。どんな間違いだよ!って言ったら、ゴメンゴメンって言われて50ルピーの札束を何束もくれたので、すっかり金持ち気分になった僕は、まぁ、なんとかなるさっ。って思った。韓国で一万円が10万ウォンになった時と同じ原理だから、ほんっと成長してない。

 

 

バイタクを拾ってしばらく進むと沢山道沿いに観光客向けのレストランやショップが並んだ通りに出る。

しばらく進んだ所のレストランの前で止まり、中に入った。

 


中庭側には壁もなくテラスの様に吹き抜けになった店内は多少暑いが天気も良く、気持ちいい。なんとなく小洒落た雰囲気で、つかの間インドにいることを忘れさせた。

 


店の端の方のテーブルを見るとオレンジのターバンを巻いたガチなお爺さんがもう1人の男と飯を食っていた。あぁ、やっぱりここはインドですか。

 


どうせまた美味しくない料理しかないのかな、と思ったらメニューにノンベジのメニューがあった。迷わずチャーハンとチキンカレーを頼んだ。

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ブッダガヤから少し外れたこの辺りはどうやらノンベジ料理もあるみたいだ。もちろんビシャールも注文する。僕らの金で。

 


もちろん厳粛なヒンドゥー教の人はベジタブル料理しか食べないらしい。

とビシャールに言われてパッとさっきのオレンジターバンのお爺さんを見たら、チキンカレーの鶏肉を両手で持ってかぶりついていた。あれアウトじゃん!!お爺さんが僕と目が合うと、バレちゃった、みたいな恥ずかしそうな、気まずそうな顔してた。


インドのレストランだとどこでもでてくるケチャップとマスタードをブリブリにかけながら昼飯を食べ、レストランを出た。


どうやら先ほど拾ったバイタクの運転手はビシャールの知り合いらしい。そのまま外で待ってくれていた。バイタクに乗り込み、今度はビシャールの運転で走り出した。

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もう当たり前のようになってるけど行き先も何も聞いてない。ここでビシャールが反旗を翻せば僕らは終わってしまうのだが、もう完全にビシャールを僕らは信頼していたので任せっきりになっていた。

 

突然インドミュージックが爆音で流れ出す。バイタクの荷台を見るとウーファーが積んであった。

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ビシャールがノリノリで頭を振っていた。とっても楽しそうだ。

 


しばらく道を進むと、砂漠が見えた。

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へーっ、インドにも砂漠あんのねー!って言ってたら、どうやら間違いで、河川らしい。乾季の時期になると完全に水が干上がってしまうみたいだ。やはり年中流れ続けるガンジス川は他の河川とは格が違う。神聖化される訳だ。

 

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説明なくビシャールが頭を揺らしながら進む事30分。運転手はなんだかよくわからない大きな建物の脇にバイタクを停めた。左手には長く伸びた山がある。ビシャールはバイタクの運転手をそこに残し、さぁ行こう!みたいな事を言っていた。J君の通訳によると、どうやらここから山道を登っていくと中腹にブッダが修行した祠があるらしい。ちなみにマップでみると赤ピンが僕らの宿、右上の黄色ピンが祠の場所だ。距離にして15キロほど。だいぶ遠くまで来た。

 


坂を登りだすと、やはり観光地なのか、坂道を上まで登るぜ!50ルピーだぜ!みたいなバイク集団が登場した。浅草の人力車みたいなノリなんだけど、エンジン吹かしてブイブイいってたんで北斗の拳のザコ敵にしか見えなかった。たしかに風景は世紀末。

 


あべし!とかひでぶ!とか言ってくる彼等を無視し、坂を登りだす。暑いのですぐに汗が噴き出す。10分ほど登ったところに、観光案内所みたいな建物があった。カラフルな布がはためいていた。

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ビシャールが「ここで上着脱いで干すといいよ!」的な事を言うので上半身裸になり、さあ行きますかってなったら「神聖な場所だから上着を着た方がいい!」とか言ってきた。どっちなんだおい。

 

案内所からすぐの場所にあった岩壁の小さな隙間から中に入ると、中にちっさく金ピカのブッダさん。肋骨浮き出たガリガリのスタイルで苦行の苦しさを物語っていた。

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でも僕には祠の入り口といい、中のブッダといい、陰部開いたらクリトリスありましたみたいな間取りだったのが一番ツボで、一人で笑ってた。

 

写真撮ったらダメだっ!ってインド人に言われながらパシャパシャ撮り、僕らは外に出て来た道を下る。


なんだ、こんなん見にくるだけでこんな遠いところまで連れてこられたのか、とモヤモヤしていたらその様子にビシャールが気づいたらしく、「近くにもっと面白い場所があるよ!」と言った。でもどうせこのクリトリスブッダが面白いくらいなら、大したことないんだろうなぁー、と思いながらバイタクまで戻った。

 

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おしっこタイム。


16時を過ぎたくらいになった。まだ日は高い。

バイタクに乗り、山沿いを更に進む。

すれ違う車の数も減り、明らかに観光地ではない、怪しい場所に連れて行かれるのがわかった。舗装された道も無くなり、かなりの凸凹道になる。


10分ほど進んだところで、バイタクのエンジンを切った。どうやらまた、坂道を登るらしい。やれやれ。


今度は北斗の拳のザコ敵ではなく、子供達が出てきた。物乞いする訳でもない。珍しい日本人を見たくて走って寄ってきていた。ナマステ!挨拶すると手を合わせてナマステー!っと返してくれた。かわいすぎだろ!


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坂道をしばらく登る。先ほどよりもだいぶ景色がいい。


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J君はこのキングダムっぽい景色に心打たれたのか、完全にそっちの人にしか見えなかった。


そんな時だった。

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ウェイ!ウェイ!ウェイ!ウェイ!ウェイ!ウェイ!


ビシャールが叫びだした。ついに頭おかしくなったか!

 

ウェイ!ウェイ!ウェイ!ウェイ!ウェイ!ウェイ!


ビシャールが指を指す。

マンキーマンキー


僕らは指を指す方を見てみると、

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山があった。山しかない。


ビシャールがそれでもしつこいので、注意深く見てみると、ほんっとちっちゃく黒い影が二つ、見える気もする。(写真だと分かりません)

 

マンキー(猿)は神様なんだー!」

ビシャールはとても大切なことのように唾飛ばしながら語ってくるんだけど、すっごいどうでもよくて三人でドン引きした。

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J君は優しいので少しだけ付き合ってあげた。

 

この距離じゃ飼ってる猿でも来ないだろ。無視して登りだしたらまだ後ろからウェイウェイ聞こえてた。


猿呼んでる場合じゃないとさすがにビシャールも気づいたのか僕らの方に急いで来て、また先導しだした。

 

しばらくすると、道の右手に藁葺きの小さい小屋がある。壁、床もない簡素な造りだ。中にはターバンを巻いた老人がまな板とナイフのようなものでずっとトントントントン刻んだり叩いたりしていた。

 


さぁ!ここだよ!とビシャールの案内で中に入るとターバンの老人は人見知りなのか、特に何も話してこない。そして老人の手元を見るとさっきからトントンしてたのは…ガンジャだった。

 

 

 

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ガンジャの老人 本名 不明

 年齢56歳

言語 ヒンドゥー

レア度★★★★★★

 

どうやら話を聞いてみるとこの老人、この山一帯の土地の持ち主らしく(自称)この藁葺き屋根の下で30年間ずっと庭先に自生したガンジャを吸い続けるという、もうこの旅路上最高にカオスな老人だった。どうやらビシャールとはガンジャ仲間らしい。


老人の生活環境というと藁葺き家の他、食料は山の下の子供達が必要分運んできて、水は道向かいの井戸から汲む。小さなソーラー発電機が置いてあって、そこから伸びたコードの先にスピーカーが付いててマッタリとした音楽が山の裾野を流れていく。電気あるのに全く生活に使わないところが流石だ。


恐らく、食料に必要な金はこの辺の地主ということで回収しているのだろう。日本でこんな隠居生活してる奴はいない。絶対。


早速、みんなで吸おうぜってなって老人に手招きされながら家の中に。申し訳程度のシートが敷いてあった。岩に座る老人を囲むように僕らは座った。


老人が朝からトントンしてくれたガンジャは、もう葉っぱの面影はなく、茶色い固形物になっていた。それを赤土を焼いたパイプに詰め、湿らせた布をパイプの吸口に巻いて、マッチで火をつけて吸う。

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これが意外に難しくてそのまま咥えても空気が逃げてしまうので、何度も老人にパイプの持ち方を教えてもらった。案外、すごい優しいのな。

 


ビシャールが吸うときはまたいつものマントラを唱えだして、それがあまりに長ったらしいもんだから、老人もイライラしだして「おい、いいから早く吸えよめんどくせえ」みたいな事を言いながら途中でマッチで無理矢理吸わせてた。ビシャールのめんどくささは世界共通。

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吸ってみると、すっごいキツい。ビシャールのシングルベッドの下のやつよりもかなり強い。何口か回して吸うともうバッチリきまってしまった。

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普通にむせる。

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さっきから聞こえてきてた音楽が耳に心地いい。そして山からの景色もあまりに美しい。もう完全に吸うための環境がここに整っていた。

 


この天国に一番近い場所で、この老人は、ブログを書いている今でもきっと、ガンジャを吸っているだろう。

 


日本に帰ってからも、この老人の存在を思い出す度に、どれだけ閉鎖的な日本に生きていても、自由はいくらでもあるのだと励まされた。

 

 

 

と、しばらくまったりしてるとなんとお湯を沸かしてくれて、なんかよう分からん葉っぱの入った飲み物を出してくれた。

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砂糖がかなり入っていて、甘い。もう、いやらしいくらいにマンチな時に欲しくなる味付けになっていた。完璧。

 


それから老人は僕らにシヴァを祀ってるところがある、と言って僕らを案内してくれた、と言っても道向かいのスピーカーの脇だった。

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階段をそのまま登ろうとすると、「ちょっと待て!」どうやらここから素足で行かないといけないらしい。いや、老人の足の裏より僕らの靴の裏の方が綺麗な自信があるのに。

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これが一応シヴァ祀ってるらしい
ガンジャを好む神様、シヴァを適当に拝んだ後、なんか老人と僕は変に意気投合して、言葉通じないのに結構話してた。

 

僕「この辺もぜーんぶ、おっちゃんの土地?」

ガ『そうだよ!』

僕「すごーい!!」

『ニヤニヤ』

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案外この老人かわいい。

 

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さて、日が沈むのもあっという間で、夕方になってきた。カオスな老人とも別れを告げ(結構悲しかった)、僕らは山道を下りていった。振り返ると、いつまでも老人は僕らに手を振ってくれていた…。

 

 

 

 

 

 


と思ったらもう次のガンジャをパイプに詰めて吸ってた。


つづく。


次回は、絶対に真似をしてはいけない!インドで死者多数の密造酒を実際に飲んでみたりします。お楽しみに。

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語6

 

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ぶっはー!!!

 

 

 

ここまでの旅を読みたい人はこちら↓

 

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語1 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語2 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語3 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語4 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語5 - しらぼ、

 

 

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11月1日昼12時。

昨夜のマンチ飯から部屋に戻り爆睡した僕らは昼まで寝てしまっていた。

と思ったらどうやらJ君は一足先に何処かへ出かけてしまったらしい。部屋には僕とT君の二人になった。


身体がめっちゃくちゃ痒い。肌には腕も足もビッチリとダニに食われた跡が。100箇所は軽く超えている。これまで何箇所か宿に泊まって気づいたのだけれど、ダニにも好みみたいなのがあるみたいだ。三人で同じベッドで寝てもダニに食われる人と食われない人がいる。どうやらこの宿のダニは僕の血が大好きみたいだ。


とりあえずJ君が戻ってこないことには出かけてしまうとバラバラになるので、洗濯することにした。インド初日にエアロシティのセブンで買った固形洗剤で洋服を擦り、水で流しては絞る。部屋は4階だが、上が屋上になっていて干せると宿の主人に言われていたので早速持って行った。

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先着の洗濯物が沢山干してあってスペースがない。仕方ないので乾いてるやつからどかして詰めて干していった。

 


この宿は珍しくシャワーからお湯が出てきた。このソーラーの天日によって、お湯にしているのだろう。なかなかクオリティの高い宿だ。そして、空が綺麗だ。

 

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程なくしてJ君が帰ってきた。昨夜歩いた通り沿いの出店を見たりしてぶらついていたらしい。そしてなんと、新たなガンジャ仕入れ先の開拓までしてくれていたみたいだ。あっぱれ。

 


とりあえず一巻きして、みんなで吸った。T君が着る服がもう足りないみたいで、J君がお土産に買っていた服をとりあえず試着することに。

 

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あぁー。無理だね。

 


とりあえず、表に出た。昨日の夜に何人もいたうちの一人がいた。どうやらJ君はこのガイドの一人と意気投合したらしい。このガイドこそ、この旅の重要人物の一人、ビシャールだ。

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Vishal  ビシャール 19歳

レア度  ★★★★★

言語 ヒンドゥー語 英語(下手)

仕事 ブッダガヤガイド。熱心な信者。

特技 ガンジャ

趣味 ガンジャ

好きなこと ガンジャ

休日の過ごし方 ガンジャ

彼女 いない。募集中。

Facebookのリンク→Vishal Kumar | Facebook

 


とまぁ完全無欠な感じの彼はFacebookでも友達だし、僕のブログにいつもイイネしてくれるいい奴なのでぜひインドに旅行の際は会ってみてほしい。イケメンなので、インド人でも結婚相手にいいよって人は連絡してみてください。

 

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どうやらこのブッダガヤにある沢山の寺院を案内してくれるみたいだ。早速僕らは着いていく。と、その前に近くの両替屋で日本円をルピーに替え、隣のコンビニでアイスを買った。インドで食べたものの中でこのアイスが一番美味くて、結局数日の間に10本くらい食べた。

 

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このブッダガヤには沢山の寺院があるのだが、ブッダが広めた宗教が様々な宗派に分裂していったので、若干違うそれらの教えごとに別の寺院を建ててある。カラフルな色使いのチベット密教、タイの仏教、中国の仏教、深夜特急でも作者が滞在した日本の仏教の日本寺なんかもあった。要は聖地ってことだ。特にこのブログでは詳細について語るつもりはないので、気になる人は別途ググって欲しい。


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めっちゃボウズがスマホで写真撮ったり、自撮りしていた。インスタにあげるのだろうか。

 

 

 

16時過ぎ。そろそろお腹空いたので、一行はとりあえず寺院巡りを辞め、飯を食べることに。近くに美味しい店があるよ。とビシャールに言われついて行く。

 

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途中、足場があったりしたけど、こんな仕事絶対したくないな。どうやら塗装しているみたいだ。

 

 

 

レストランに着くと入り口には蝿が半端なかった。ブンブンブンブン飛んでいる。中に入るととりあえず蝿はいなかった。

 

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あれ?これ、あれだよね?

 


とりあえずビシャールのオススメで。って感じでカレーとチャパティのセットを頼んだ。ノンベジとベジの2種類ではなく、もうベジタブルの一点推ししかなかった。ここにいる間は肉は諦めるしかないみたいだ。

 


4人でそれぞれ微妙に違うセットを頼む。僕はラッシーの他にコーヒーも頼んだ。

 


コーヒーが最初に出てきた。だいたいいつも勝手に砂糖入れられるか、ブラックって言っても「コーヒーって最初から黒いんだけど。こいつ頭大丈夫なの?」みたいな対応しかされなかったので、砂糖入れてないブラックのコーヒーが久々に飲めて感動した。そっか、ノンシュガーって言えばよかったのか。ブラックで通じるのは日本だけかもしれない。

 


次々と食事が運ばれる。うーん、大して美味くない。けどお腹空いてたから食べれないこともない。病院で入院中にカレーがでてきたらこんな味なんだろうな。

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そんな味でもペロッと平らげた。会計はしれっとビシャールは僕らと一緒にしてきた。まぁきっとこっちのガイドは飯も奢ってもらって当たり前なのかもしれない。

 


僕らは外へ出た。タバコはインドでは案外厳しくて、屋内で吸えるレストランはほぼ無い。外でJ君とT君がタバコを吸う間はたかってくる蝿を払うのに必死だった。

 


17時30。もう薄暗くなってきた。

どうだい?僕の家においでよっ。と誘われたので、早速僕らはビシャールの家に行くことに。

 

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途中めっちゃ小さい子犬とかいた。

 

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道端を鶏も、犬も、牛も、人も同じように歩いている。誰も邪魔にしないし、誰も急いでもいない。他の地域ではもっと喧騒がすごかったけど、ブッダガヤでは時間がゆっくりと流れていた。


レストランから5分程歩くと、すぐ家についた。


赤煉瓦を積み重ねた青い扉のお家、これがビシャールの家らしい。なんとビシャールの手作りらしい!

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すっげえ!って反応したら、ドヤ顔された。

 


早速、お邪魔することに。

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入り口から腰をかがめて入り右に折れると4畳くらいの部屋に軋むシングルベッドが一つ。条件は揃ってもシャ乱Qの世界観とはまるで違う。ベッドをずらすと床(といってもそのまま地面)のくぼみにガンジャセットが置いてあった。やっぱ一応隠すのね。

 

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早速どうぞ。ということでJ君から順番に吸っていく。一度に載せる量が玄人向けなので、僕なんかは死ぬほどむせた。

 

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次はビシャールの番。お互いに火をつけてあげるのは友好の証。

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グイグイ吸い込んでいくビシャール。えっいきすぎじゃない?大丈夫?ってくらいもう燃えかすも残らないくらいに綺麗に吸い込んで、

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フィニッシュ。強すぎるだろ。

そのくせ全然ビシャール変化ないなぁって思ったのも束の間で、滔々と僕らにブッダの素晴らしさ、シヴァの素晴らしさを何度も繰り返して話してくるから、あーバッチリ決まってるじゃん。って分かった。

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だいたいインド神話って話の設定も内容もメチャクチャだから、きっとバッチリ決まった奴らで話を作っていったんだろうとしか思えない。どのくらいぶっ飛んだ内容か知りたい人はリンク貼っとくので見てほしい。

スラスラ読んで5分で解るインド神話 - NAVER まとめ

 

バッチリ決まった僕らはそれから外へ出た。ビシャールが今度は世界遺産のマハーボディ寺院に行こう!と誘ってきたけどそんな決まってるのに大丈夫か?ってすごい心配になった。


そんな心配をよそに僕らはビシャールと共にマハーボディ寺院へ。若干距離があるからバイタクで行こうということで近くのバイタクに乗り込む。


10分もしないうちにどうやら到着したらしい。いや、ぜんっぜん大した距離じゃないんですけど!これビシャール決まってて歩けなかっただけだな。

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地図で見るとこの位置関係。

左赤ピンが僕らの宿、黄色ピンがビシャールの家、そして右ピンがマハーボディ寺院。1キロくらいしかない。

 

 

到着した僕らはカメラ類の持ち込みが一切禁止とのことで、僕らは荷物預け所に携帯を預け、マハーボディ寺院へ向かう。

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ネットの拾い画だとこんな感じ。


中に入ると金ピカピンのブッダがいた。どの宗教でも同じことが言えるのだが、信者は貧乏、そして教組は金持ち。それを祀る物にはふんだんに金が使われている。

 

皆手を合わせ祈る。並んで一列、押さないで、なんて文化はここにないので押したり引いたりごった返しになっていた。


なんとか寺院の外に出る。

周辺は芝で綺麗に手入れされていて、沢山の僧侶が修行したり、瞑想していた。


修行といっても手塚治虫漫画みたく針の上とかではなく、ずっと立ち上がったり座って上半身を倒したりを繰り返していた。昼の情報番組とかで[45分の運動と同じ消費カロリーをたったの5分で!]みたいな動きだ。皆汗をかきながらがんばっていた。


更に進むと小さな祠があって中にブッダの仏像がある。ただ、ポージングがおかしい。ビシャールの説明によると、この小さな祠の中でブッダは7日間片足立ちで目を開けたまま過ごしたらしい。カオスすぎるだろ。


更に奥に行くと、あの有名な菩提樹があった。この下でブッダはおよそ49日間瞑想して、悟りを開いたのだとか。

 

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撮れなかったので拾い画。

 

こうして僕らは一通りマハーボディ寺院を満喫して、悟りを開きながらも、携帯機器を受け取り、この場を後にした。

どうやらビシャール、早く吸いたいらしく、もう我慢できなくてモジモジしていた。僕らはまた再びビシャールの家にバイタクで移動した。

 

時刻はもう夜の9時を回っていた。

家に入ると、今度は別の部屋に通された。どうやらこの家は案外広いみたいだ。小さい穴をくぐり抜け、別室に入るとそこにもベッドが一つ。僕らは並んで座った。

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蚊がめっちゃいる。もう何十匹もいる。痒くなるから蝿よりタチが悪い。助けてビシャール!


するとビシャールがお香を焚いて部屋に置いた。どうやらこのお香の煙は蚊が苦手で、みんな部屋から逃げていくらしい。どうして蚊を殺さないの?と聞くと、ビシャールは答えた。

 

蚊も命があるから。輪廻転生。僕らが死んで生まれ変わったら蚊に生まれてるかもしれないだろ?だから命は大切に。無駄な殺生はダメなんだよ。


って語ってる最中にもう蚊がバッタバッタ床に落ちて死んでいた。いや、殺してるやん。日本の蚊取り線香より強力すぎるわ。


そんなことは全く気にせず、

「音楽を聞こう!」ビシャールは言った。

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平成初頭の頃のようなだっさいデザインの携帯をWi-Fiにつなぎ、YouTubeらしきサイトで音楽を流すビシャール。

てっきりインドミュージックかと思ったら一昔前の洋楽のクラブミュージックだった。こんな汚いレンガの家の中でリアーナとかテキーラブンブンとか動画見てて虚しくならんのだろうか。

 


そんな心配をよそにビシャールはブクブクと吸い込んでは白い煙を吐き出していく。そして決まる。

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ブクブク…
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ブクブクブクブク…
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ぷっはー!!!

ビシャールが決まると定番の神々の話が始まる。そんなのいいから早く吸わせろよ。T君が日本語で愚痴る。確かに。EDMが流れ続ける。狂ってるわ。

 

あ、そういえばビシャールで友人の結婚式のお祝いメッセージ撮らなくていいの?ってJ君に聞いたら即答で、

 

「いや、無理っす。これ結婚式で流したらイカンやつっす。」って答えた。


J君が吸おうとすると、ビシャールはマントラを唱え始めた。いまから吸うガンジャに祈りを込めたりしているんだろうけど、簡単に言うと秋葉原で「おいしくなーれ❤︎」って魔法かけてもらうのとプロセスは同じ。このマントラがまた長くて1分くらい唱えるから僕もT君もめっちゃ舌打ちしていた。


動画で全部撮っているから本当は動画そのままあげたいのだけれど、このはてなブログのサイトの仕組み上、静止画しかアップできない。非常に残念。


みんなでバッチリ決まって、適当にビシャールには熊本弁教えておいて、夜も10時過ぎくらいになったので、部屋を出た。こんもりとあったガンジャもあっというまに無くなってた。


部屋を出て徒歩でホテルへ。帰りにもちろんコンビニ寄ってアイスを買った。そして宿へ。


すっごい不思議な一日だった。こんな時間を過ごしている間にも、日本ではハロウィンのトラック横転事件とか話題になってたり、サラリーマンが朝から晩までスーツ着て働いたりしているのだろうか。信じられなかった。

 

常識がぶっ壊れる国、インド。残り日数半分切ったけど、トコトン楽しもう。そう胸に思い、眠りについた。

 

つづく

 

次回予告

次回は観光地でもない山奥にひっそりと住んで何十年もガンジャを吸い続ける仙人に会いにいきます。乞うご期待。

 

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語5

ここまでの旅を読みたい人はこちら↓

 

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語1 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語2 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語3 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語4 - しらぼ、

 

 

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現在地、久美子の家。

10月31日 午前7時。


未だ薄暗い外の空気が部屋に入ってきていた。まだ陽は昇っていないらしく、ホッとした。寝坊してはいないらしい。


簡単に荷物を片付けて、着替え、T君を起こす。彼は昨夜寝付けなかったのか、昨日から泊まっていた中国人?らしきツーリストと仲良く吸っていたらしい。ほんとフットワーク軽い。ただ、めっちゃ眠たそうだった。


昨日と同じく階段を下り、舟に乗る。今日の舟は櫂で漕ぐやつではなくて、エンジン式のやつだった。昨日の老人と子供、ではなく、鮮やかな水色のシャツを着た男だった。英語で色々話してくるが、僕はさっぱりわからないし、J君T君曰く、発音がおかしくて聞き取りづらいとのことだった。

 

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水色シャツはぐるぐると勢いよく鉛筆削りみたいなエンジンのモーターを回す。壊れてんのかいな、と思ったりしたが無事にエンジンが唸り、舟は水の上を走り出した。やっぱ手漕ぎより早い。

 

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ガンジス川周辺住民の朝は早い。

火葬の続きや、あちこちで身体を洗ったり、飛び込んで遊ぶ子供、洗濯をする女性なんかが沢山いた。白い布?網?で、なんと魚まで採って食べようとしている。

 

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ライオンキングのパチモンみたいな絵が描かれている建物は、どうやらガンジス川の水を汲み上げて街に送るための施設らしい。それでこのポージングなのか。

 


早速、ガンジスの日の出を拝むために巻き巻きしてきたガンジャを回して吸っていく。T君の刈り上げが実に良い。

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J君もなんか様になっている。

僕なんかただの競艇場のおっさんがタバコ吸ってるみたいになってる。

吸って数分は変化なし。やべ、身体が慣れてしまったのか?と思ったけどそんなことはなかった。

とろ~んとしてきて、波の模様がスッゴいとろっとろになっているように見える。ゼリーみたいな。空の薄明るくなっている部分も、めっちゃ鮮やか。J君に至っては神が降りてきたっぽい。

 

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もう、とりあえず言葉で説明できないから写真載っけておく。全て無加工。ガンジス川隅田川みたいとか言ってごめんなさい。

そして、日本とは空気が違うからか、太陽はピンク色していた。そして次第に赤みを帯びてきて、照り返した赤色の光の柱がガンジスに建っているように見える。このタイミングで川岸の住民は皆、腰までガンジスに浸かって、お祈りを捧げていた。こりゃあ、神さま信じるわ。インスタ映え半端ないって!

 

 

 

 


さて、ひと段落したところで、水色シャツは川沿いを今度は手漕ぎで移動しながら説明していく。

 


そういえば、これが本職なの?と水色シャツに聞いてみた。どうやら他の仕事もするけれど、舟で観光客を案内するのが本職らしく、月に3000ルピー、日本円で4500円ほどだそうだ。それで嫁がいるらしいから、大変だなぁ。

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1.2時間程似たような景色と似たような説明を受け、ほとほと飽きた頃にようやく岸に着いた。てかこのルート昨日の夜も通ってるからな。


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なんか観光客がヨガ習ってるんだけど、これGTA5にあったよね?
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で、一人900ルピー。三人で2700ルピー…っておい!さっきの話絶対ウソだろ。月の売り上げの殆ど今日稼いでるじゃん。

 


まぁこれがインド人気質なのだろう。けどムカついたので、アップで沢山写真載せておく。


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宿で荷物をまとめる。とりあえずバラナシで観たかったものは一通り観れた。もう少し滞在していたかったけど、残りの日数を考えると、早め早めに移動するべきだ。

 


話し合いの末、次はガヤに行こう!となった。

ガヤのブッダガヤはあのゴータマシッダールタさん(ブッダさん)が悟りを開いた土地として有名な場所。日本でいうと、京都とか奈良みたいな歴史文化溢れるスポットとなっていて、インド文化を知るには避けては通れない道なのだ。

 


宿を出るとカーンがいた。ほんっと、セーブポイントみたいな男だな。どこにでも現れる。


ガヤに行くよ。と伝えると、それならバラナシ駅よりこっちがいい。さぁ早く乗れよ。的な事を言ってきて、僕らはまた、バイタクに乗った。

 

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地図を見た感じだと、どうやらカーンはムガルサライ駅に向かっているようだった。確かに、ガヤ方面ではあるが、各駅停車の駅感ハンパないんじゃないか??

それならやはりバラナシ駅から乗って、早い列車に乗るべきでは…なんて思ったがそんな高等な話が僕の語学力でできるはずもなく、バイタクはブンブン進んでいった。

 

 

さぁ、ついたぞ。

 

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カーンと僕ら一行はムガルサライ駅に着いた。駐車場みたいなところにカーンがバイタクを止めると、近くにいたインド人が「そこに勝手に止めるんじゃねえよジジイ!」みたいに突っかかってきた。

オドオドするカーン。

同じインド人同士だとこんなビビっちゃうのか。日本人には強気なのに。

 


なんとかどうにか場所を変え、バイタクを止めることができたらしく、僕らは駅舎の中へ。どうやらカーンが列車の券を用意してくれるらしい。僕らはガヤ方面行きのホームで待つ事になった。14時頃の列車があるらしい。

 


いつものようにホームにタイ航空のひざ掛けを広げ、そこに座り込み、トランプを始めた。やはりこういう旅にはトランプは欠かせない。周りのインド人も、こんな溶け込んだ日本人が余程珍しいのか、周りには人だかりができていた。

 

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よしここで。と、意気揚々にJ君が銀色の輪っかの玩具でワンマンショーをおっぱじめ、インド人は皆目を飛び出させて驚いていた。

 


一旦カーンが戻ってきた。券を買ったらしいが、列車は16時過ぎに着くらしい。ホームでひたすら待たされるハメに。僕らは一旦ホームを出て、建物裏にコソコソと行き、ガンジャを吸う。一応違法なので、流石にホームにいる警官の前では吸えない。インドで捕まったら洒落にならない。

 

フワッフワしながら、ホームに戻り、暑い陽射しの中、ひたすらに列車を待った。

 


ここでお別れだな。とカーンが言った。どうやらお金を請求しているらしい。いくらなの?と聞いて、携帯の電卓画面で渡すと、カーンはあれよこれよと計算した後、僕に画面を見せてきた。7000ルピー。日本円だと一万円超えだ。高すぎるだろ。

結局、三人で話し合った結果、もういっか。とりあえずあちこち行けたし。ってなって、日本円で渡していいか聞いて、1万円渡した。

 


またどこかで会おうぜ。良い旅を。

的な事を言ったカーンはその場を去っていった。まぁ、後から思うと面白いおっさんだった。可もなく不可もなく。

 


16時19分ごろ、かなり遅れて念願の列車が到着した。一番安い等級の列車を取ったらしく、券を見てもよくわからないので、適当な位置から乗る事に。メチャクチャ、混んでるじゃん。

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狭い。まぁ狭い。日本の満員電車も有名だけど、インドの安い等級の列車もなかなかの混み具合だ。6人掛けくらいのスペースに18人くらいいて、その荷物掛けやら通路やらまでギュウギュウで、その間をしきりに物売りが人を踏み蹴散らしながら何度も何度も通っていく。

 

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かと思えば寝転んで場所を独占するおっさんもいて、少しばかり場所を譲ってもらったものの、足が異様に臭かった。

 


途中同じ列車にいた学生と仲良くなって、Google翻訳で会話した。どうやら週に一度、実家に帰っていて、今日は学校に戻る為にガヤに行くらしい。日本人に興味深々だったので、日本語をいくつか教えてあげた(全部下ネタ)。そして、カーンから受け取った列車の券を見せると、これは乗車券じゃないよ、と教えてくれた。まんまとカーンに騙されたわけだ。もうなるようになるさ。

 

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この姿勢で2時間半。7時前頃、列車はガヤ駅に着いた。バラナシで全体の半分だったので、ゴールのコルカタまではあと500キロ程だ。

 


ガヤ駅は照明も少なく薄暗い割に沢山の人がいた。駅のホーム周辺は完全に野宿コースの家族とかが沢山いて、やはりヒンドゥー教の聖地だから家族連れで来てる人が多いのだろう。その間を野良犬がのそりのそりと歩いていた。

列車で仲良くなった学生と写真撮ったりしたけど、全部相手の携帯だったから写メはない。忘れてた。

ちなみに乗車券の確認もなにもなかったのであっさり外に出れた。

 

宿は今回もアゴダで入手。宿はその場のノリで決めるとかいう旅の情緒よりも金が心配になっていた。ブッダガヤの方の安宿を予約。


毎度おなじみのバイタク集団と値段交渉をし、ブッダガヤへ向かう。かなり列車で疲れていたのか、写真を撮ってない。30分くらいバイタクに乗っていると、ようやく着いた。っていうか、宿はまだ奥なのだけど、バイタクで入れる制限があるようで、ここから先は徒歩で行けとのことらしい。全然インドらしくない。それだけ神聖な土地なのだろう。

 

しばらく歩く。ガイドの声かけが何人もやって来た。どうやらホテルやらレストランやらの紹介をしたいらしい。

僕が予約したホテルの画像を見せると、あぁ、こっちだ。と連れて行ってくれたのはいいものの、全然違う宿だった。もうめんどくせーよ。って感じで無視してGoogleマップ頼りに宿を見つけた。すごく疲れきっていた。やはりあの列車のダメージはデカい。

宿に着く。六畳一間にデカいベッドが一つ。500ルピー。仲良く並んで寝るには充分な大きさ。空調のプロペラもある。トイレ、シャワーもある。電源も確認。この宿に決めた。


荷物を置き、一息つく。

とりあえず吸いますかっ。て感じで三人で吸ってたら三人でめっちゃマンチになってしまった。もうお腹空いて仕方ない。またゾンビと化した三人は宿を出ると近くに駄菓子屋みたいなボロいトタン屋根の店があって、ブンブン蝿が飛び回る中、パンを卵に浸して焼いただけのものに腐ってるか怪しいケチャップをブリブリかけて4枚ずつくらい食らいついた。

写真撮ってなかったけど、かなり美味かった。そういえば、もう皿に蝿がたかってきても、初日より全然気にならなくなっていた。どんどんインドに染まっていた。いっぱいになったお腹をさすりながら、僕らは宿に戻り、眠りについた。

次の日からこのブッダガヤで衝撃体験を連発するなんて、僕ら三人はこの時は知る由もなかった。


つづく。

 

 

 

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語4

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10月30日 午前2時

激しく鳴るクラクションの音を少しでも聞かなくて済むようにイヤホンをつけて音楽を聴く。午前2時だからって天体観測とか聞くテンションはカケラも持ち合わせてない。

 

少しずつウトウトと眠りに入ろうとする度に、他の車を追い越したり、舗装されていない道の段差で跳ねたり左右に揺さぶるバスによって強制的に起こされる。

 

だけど隣のJ君はまるでゆりかごに揺られるかの様に安眠している。微笑んですらいる。羨ましすぎてなんかムカつくからバスの窓から投げ出そうと思った。


いくら頭で観念していても、ジェットコースターの様なフワッと浮き上がる感覚の恐怖だけは拭えなかった。日にちが遅れてしまっても、列車で行けばよかった。と後悔した。


2、3時間おきにバスは小休憩のため、道端の空き地に止まる。もちろん眠れてなどいないので、とりあえず降りて外の空気を吸った。まだ暗かった。相変わらず砂と排気ガスの混じった空気だった。しかも便所臭い。


バスの運転席ではインドのクラブミュージックやゴアトランスが結構な音量でガシガシと鳴り響いていて、2、3人の運転手が運転中は眠くならない様に騒いでいたらしい。


運転手の1人に聞いてみた。

「運転してて眠くならないの??」


「大丈夫。ずっと危ないから眠くもならないさ。」

 

「日本は居眠り運転とかありますよ。」

 

「日本はとてもクレイジーな国だね。」

まぁ実際は中学生レベルの英語を駆使して会話したので、これくらいの会話も大変だった。流暢に訳するとこんな感じ。

そのあと、飲酒運転とかもありますよ。って伝えると、それも驚いていた。ガンジャは吸うけど酒飲んで運転するのはさすがに狂ってるな。と言い残して運転手はタバコを買いに行った。

 

バスの裏で立ちションしようとすると、いきなり「ノーノーノー!!」と言われた。

 

違う場所を指差している。どうやら立ちションはダメでトイレがあるらしかった。この日本人狂ってんな、モラルがないよ、トイレでやれよ。くらいの目で見られながら僕は言われた場所に向かった。

彼に言われた場所に行くと、確かにアンモニア臭が酷い場所だったからトイレがあるのだろうと思ったけれど、そこはただの原っぱだった。結局一緒じゃねえか。


皆が皆、好き勝手にその辺で立ちションしたり、大便していた。そこら中で用を足すとこのバスの停留所全体がウンコ臭くなるから、なんとなく同じ場所で用を足す様にしているみたいだ。なんだ、インド人にもそういう謙虚さがあったのか。


だが、そんな努力も虚しく、こんなにだだっ広い原っぱなのにわざわざ停留所の真裏でみんなトイレするから結局停留所が一番臭かった。もう少し考えればわかりそうなものを。


便所臭い停留所でとりあえずビスケットとクッキーを買ってまたバスへ。

よしっ、エンジン止まってる間に寝てしまえば勝ちだ!と思った時にエンジンがかかって轟音と共にバスは動き出した。もうなるようになるさ。寝るのは諦めた。

 

7時30分。諦めが肝心とはよく言ったもので、諦めた途端に寝ていたらしい。外はもう明るくなってきていた。

Googleマップで見た感じだとあと100キロも切っていた。もう少しだ。あと少し。

 


ふっと、横を見ると、J君の脇になぜか大量のコーン茶がペットボトルに入っていた。ん?こんなの売ってたっけ??

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謎に包まれながらまたしばらくウトウトしていると、J君も起きだした。このコーン茶は何?と聞くと、J君は頬を赤らめていた。恋でもしているのだろうか?青春ってやつですな。

 

 

さて!11時間程深夜バスに揺られ、僕たちは遂に次の目的地、バラナシへと到着した。ガンジス川までもう少し。

 

時刻は午前10時過ぎ。バスが着いたのはまぁ駅もガンジス川も近くないへんぴな場所で、そこにそそくさと降りる僕たち。外で各々立ちションを済ませ、さてどうしよう。


案の定、もう定番なんだけどバスの周りには沢山のバイタクとリキシャがいた。値段交渉もそこそこに適当なジジイの運転手のバイタクに乗り込み、ガンジス川周辺の宿に向かうよう伝えた。

 


このジジイこそ、この旅の重要キャラクター、カーンおじさんだ。この時僕らはこのジジイとこれから長い間旅を共にするなど、微塵も気づいていなかった。


カーン(通称) 年齢 不詳

レア度 ☆★★★★

言語 ヒンドゥー、英語

 

この旅に出る前に、インドについてそれとなくネットで情報を集めていた。その中でもやはり、ガンジス川は鉄板コースだし、様々なツーリスト達がガンジス川周辺の激安宿に滞在している。

 


無論、僕らは観光に来たのではない。旅に来ているので、ここぞとばかり激安の宿に泊まりたい!ということで前もって調べていた日本人宿のツーリストハウス「久美子の家」に行くことに。一日70ルピーくらいとネットには載っていて、さらに部屋からガンジス川が一望できる!とまさに願ったり叶ったりの宿なのだ。


久美子の家に行ってくれ!


そう伝えると、ははぁ、あそこね。はいはい。とカーンは慣れた手つきでハンドルを捌いて、小道をクネクネと進んでいく。幅1メートル弱の道を全速力のバイタクと、人や牛がすれ違う。当たらなければ大丈夫。これがまた、インドなのだろう。

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途中、細い道端で、バイタクはいきなりエンジンを切る。どうやらここから先は徒歩でしか行けないようだ。カーン的に一番英語の通じたからか、J君だけを連れて先にホテルに行くから君たちは待っとけ。とのことだった。

 


いや、一緒に行けば良くね??とも思ったが、うまく説明できないし、このままJ君がカーンに拐われて数年の間監禁されて、洗脳された後、カーンの弟子としてバイタクで稼いでいく人生というのもまた一つ興があっていいのでは?と思ったのでT君と待つことにした。その時は一緒にインド来たらJ君のバイタクで旅行しようね。なんて話をしていたらおよそ30分後、監禁されていないJ君がカーンと共に帰ってきた。


洗脳早っ!!!って思ったけど、どうやら洗脳されていないらしかった。


カーンはチェックインが済んだら、観光に行こう。下で待ってるね。と、早速カーン節炸裂で僕らのスケジュールを固めていく。


J君に導かれるままに、僕とT君は更に奥まった道を進んでいく。

100メートル程進んだ頃だろうか。

 


一気に視界が開け、そこには陽に照らされたガンジス川と、ツーリスト、ボロボロのレンガ造りの建物達だった。遠くで鳥が鳴いている。

 

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ついにきたーっ!ガンジス!と思ったけど、案外普通なのな。隅田川とかとそんな変わらない。川幅は倍近くあるが。それよりもやはり川沿いに伸びる建築物がどこまでも続いていて、圧巻された。

 


こっちですよ。

流暢な日本語でJ君が僕達を宿に誘う。あ、そっか、日本人だもんね。


幾人ものツーリストと、ターバンを巻いた仙人風のガチ勢とすれ違いながらしばらく歩くと、あった。久美子の家。

 

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想像よりも高台にあって、インスタ映えは十分だ。ジブリ臭さもある。壁にちっさく久美子の家って日本語書いてあるところも味がある。

 

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脇の階段を登り、こめかみに汗を感じながら宿の入り口へ。柵を開け、中に入ると、どこから靴を脱いでいいのかわからない感じの入り口。

 


日本人というよりタイ人っぽい感じの久美子さん登場。

 

こんにちはー。


久しぶりの日本語にほのぼのとする。

一気に親近感が湧く中、僕ら3人で泊まれる部屋があるか尋ねた。あるよ!と言われ、そのままパスポートを渡し、宿泊簿に名前やらなんやら書いていく。金額は一泊100ルピー。1人160円くらいか。快く承諾し、入り口脇の狭い階段を登っていく。

 


三階に行くと部屋?というより隔てのない広間にちっさいベッドが3つ。

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ここに仲良く並んで寝ましょうね。ということだ。早速、ダニ対策でタイ航空からかっぱらった紫のひざ掛けを広げ、丁寧にひいていく。荷物を置き、一息ついた。

 


ここ久美子の家は、昔日本人の久美子さんと、インド人の男が結婚し、インドでの生活が始まった時、久美子さんが文化違いすぎパネェ!日本人いねぇサゲポヨ!ってことで日本人旅行者を受け入れる宿を作ったところから始まったらしい。

 


日本人ツーリストの定番宿となったが、現在では日本人は少なく、中国人や韓国人の方が多いらしい。ネットでは壁中落書きがあったのだが、現在では落書きも全て綺麗に消してあり、ツーリストが置いていった本が日本のやつが多くて、来てたんだなぁー、としみじみ思う程度。

 


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その夫は2、3年前に他界したとか。いまでは久美子さんが一人で、たまにお手伝いさんを駆使しながら切り盛りしているらしい。(聞いたんじゃなくてググった)


僕らがベッドでうだうだしていると、久美子さんテキパキと床の掃除を始めていた。聞くとどうやら屋上にも上がっていけるらしい。眺めも良いとか。


部屋の奥にある別の階段を駆け上がると、そこには動物園の様な鉄網。どうやらこうやって閉ざさないと勝手にサルが宿に入ってきてツーリストの荷物をなんでも盗んでしまうらしい。

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鉄網の戸を開けて出ると、そこは陽当たり抜群のガンジス絶景スポットだった。たしかに気持ちいいけど、暑い。

 


ここでガンジス眺めながら焚きますか!ということで巻き巻きして一本を3人で回して吸う。

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いや、確かに気持ちいい。だけど、暑い。上裸になって吸っていく。

 

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確かに水面はキラキラと輝いて綺麗だが、やっぱり真夏の隅田川っていう印象が拭えない。大したことないなー。歴史的にはすごいけど、実際見ると大したことないガンジスやなー。


汗もかいたし、3人でシャワー浴びることに。二階にシャワーがあるらしい。ただ、シャワーの水はガンジス川の水を組み上げただけなので、決して飲んではいけないとのこと。

 


二階に行き、シャワーらしき場所を見つける。半畳くらいの広さに石畳みの雑な造りになっていて、シャワーも配管ぶった切り、トイレも汚い、さすが久美子ハウスってな具合。

3人仲良く順番に体を洗っていく。もちろんお湯なんて出ない。真水ガンジス。


ヒーヒー言いながら体洗ったのに全くサッパリしないままタオルで拭いてみんなを待っていると、どうやらシャワールームの横には個室タイプの宿もあるらしかった。


謎の音楽が少しだけ漏れ聴こえてくる。ちょっと挨拶してみよう。


こういう、得体の知れない何か(まぁ人だろうが)と対面するときは、J君にお願いすることになっている。

ノックするJ君。暫しの沈黙。

扉が開いた。


出てきたのは日本人だった。

黒縁眼鏡、ボサボサの頭髪、オタクまっしぐらの顔面、痩せた身体、身体のあちこちに意味不明な刺青。とにかくカオス。目がいっちゃっててだいぶ玄人なんだな、と思った。


あ、どうも。今日からお世話になるので挨拶に来ました。よろしくおねがいしまーす。


あ…どうも。日本から来たんですね…


インドでこんな場当たり的な挨拶を交わすなんて思ってもみなかった。しかもどうせ一泊くらいしか居ないし。この男も僕らのノックが無ければ扉を開けるときは今後ないだろう。


ガンジス川のほとりで長期滞在しようなんてやっぱりちょっとイかれてる。

ただ、5、6万握りしめてここに来れば、とりあえず宿代は一年くらい払えることを考えると、ニート魂も震えるのかもしれない。

 


数時間が経ってボーッとしていると、久美子が僕らを階下から呼んでいた。どうやらカーンがしびれを切らして呼んでいるらしい。めんどくさいジジイだ。誰も待っとけなんて言ってないし。


まぁ、ぼちぼち、出かけますか。という感じで僕らは表に出た。カーンはイライラをあまり顔には出してはいなかったが、多分結構頭にきているかもしれないと思うと非常に愉快だった。


とりあえずお腹空いたわ!


と言うとカーンは、何言ってんだコイツ?みたいな顔をした。

そうだった。日本語伝わらないんだった。

 


どうにかお腹空いた事を伝えると、カーンは、それじゃあ美味いレストランがあるぜ、そら、早く乗れよ。みたいな感じのことを言った。

 


しばらく乗っていると、なんとも入り口のぼろっちいレストランに着いた。ここが美味いんだ。みたいなことをカーンは言った。

 


中に入る。薄暗い。

とりあえず僕はグラタンを頼み、J君とT君は何かしらを頼んで食べた。記憶にもないくらいなので、あまり美味しくなかった。写真すら撮ってない。値段は一品ごとに300~600ルピーくらい。酒もなく、スプライトを頼んで飲んだ。とりあえず次に行こう。僕らは店を出た。


ソナープラ(間違ってるかも)と呼ばれるこの地域には、ヒンドゥー教だけでなく、一部イスラム教徒の人達も住んでいるとのことだった。後日たしかにGoogleマップで見ると、あちこちにモスクがあるようだ。

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右、カーンの後頭部。

 

 

カーンがバイクを止めた。

ついてこい。みたいなことを言うとズンズンと歩いていく。このままシカトして置いて行こうとおもったけれど、こんな知らない場所に残されたら置いていかれるのは僕らの方だ、と気づいたのでついて行った。

 


石壁の建物の間を通り抜け、広場のような場所に出ると、そこには沢山の子供達がいた。ん??


すると、いきなり現地人のメガネの男が現れた。

 


ミナサン!コンニチハ!

 


日本語がめちゃくちゃ上手い。

喋り出す彼の話を聞くとどうやら、なぜか僕らにこれから、イスラム教徒の人が作る民芸品を見せてくれるらしかった。

 


この日本語の上手いメガネはここでイスラム教徒の学校の先生をしているらしい。学校の先生をしながら、観光客までさばいていくなんて、なんて器用なメガネだ。僕らはメガネの言うがまま、そばの建物に入っていく。

 


中には大小様々な機械がガタンガタンと音を立てて動いていた。織物の機械だ。どうやらここでイスラム教徒の人が仕事として織物を作り、それをニューデリーコルカタなどの観光地で売るらしい。

 

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機械の上には点字のような板が蛇腹状に幾重にも着いていて、それが機械に1つ1つ当たることで動きが変わり、柄を作っていくらしい。京都の西陣織と同じような造りだ。

 


コノアタリニハー!、タクサンノー、

イスラムノヒトガー、スンデマース!!

 


それくらいのことなのにすごいテンションで説明してくる。僕らは何度も、ふーん。ふーん。と、頷く必要があって、徐々にめんどくさくなった。

 


工場見学はそれくらいにして、メガネを先頭に僕らは外に出た。いつのまにかカーンはいなくなっていた。

 


カーンがバイクを止めた方にメガネは歩いていく。水色の建物を指差してメガネがクイズを出してきた。

 

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アレハナニカワカリマスカー?

 


水。

 


セイッカイ!!アナタスゴイネー!!

 


…そうか??

 


コノアタリニハー!、タクサンノー、

イスラムノヒトガー、スンデマース!!

 


ソシテー、アノミズヲパイプデナガシテー、イスラムノヒトタチノー、イエニトドケテイマース!!

 


そんな話をしているうちに僕らはバイクを止めた場所に戻ってきた。カーンのバイクはまだそこにあった。メガネは駆け足で正面の建物の階段を上がり、僕らを手招きしている。僕らは促されるままに中へ入った。

 


入り口を入り、部屋に入ると、

奥まった、細長い形の部屋の中には沢山の織物があった。絨毯からストール、ポーチまで大小様々だ。

 


サテミナサーン!!

コノアタリニハー!、タクサンノー、

イスラムノヒトガー、スンデマース!!

ソシテー、アナタタチガサッキミタ、

タクサンノーシナモノガココニアリマース。

 


要はメガネは観光ガイドをかって出たのではなく、ここの織物を売りたいだけらしかった。

冷たいコーラが僕たちに出された。

 


いやぁ、いいかな、別に。

 


誰ともなく、そんな言葉が漏れた。

その言葉をメガネは聞き逃さなかった。

 


ダッタラー!

 


コンカイハ、ヤスクシテオキマスネ!

 


もう一人の男が部屋に入ってきて、壁の棚に入れられていたストールをごっそり取り出し、一枚ずつ広げて見せていく。

 


コレハー、イチマイコレデスヨ!

 


メガネが電卓を取り出し、慣れた手つきで弾く。のぞいてみると1500とあった。1500ルピー。

 


コレラハー、サッキミタバショデ、ツクッタモノダカラー、トテモイイデス!

 

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そんな間にももう一人の男は狂った様にストールを広げ続けていた。そんなにたくさん見ねーよ。僕ら3人はきっと心の中で同じことを思った。

 

あのー、俺要らないんで、髪切りに行きたいです。T君がそう呟いた。

 


メガネはなんでもお任せあれ!とばかりに彼を床屋に連れて行ってくれ!みたいな感じのことを声を張り上げて言うと、カーンが出てきてT君を連れて行った。カーンお前完璧メガネ側の人やん。

 


T君が居なくなった後、僕とJ君はストールを買い、店を出た。ハメられた感はあるが、物は良かったし安かった。

 


表に出ると、T君は店のすぐ横の床屋で髪を切られていた。何カットとかヘアスタイルの名前は僕はあまり知らないが、わかりやすく説明するならば、コボちゃんとタラちゃんと中間くらいだ。600ルピー。

 


満足したT君と共に、僕らはまたカーンのバイタクに乗り込んだ。どうやら今日はガンジス川で大きな祭典がある、とのことだった。川を舟で降って見るといい。みたいなこと言ってたけど結局カーンが予定組むのね。カーンハンパないって!

 

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戻り道に気づいたが、やたらと丸太や木材が道の両脇に大量に積まれている。

あれは火葬の時に使うのさ。的な感じでカーンは指差して言った。頼むから前を見て運転してくれ。

 


僕らは一旦久美子ハウスに戻り、買ったストールを置いて、外に出た。だいぶ日は暮れていた。夕日が見えるわけではなかったが。6時半過ぎ。

 

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舟に乗る為川辺まで階段を下る。

捨てられたゴミが異臭を放ち、ヘドロが泡を吹いて漂っている。思わず爪先立ちみたいに歩く。汚いよ。と言うと、ガンジスは神聖な川だから、汚くなんかないよ。の一点張りだった。目の前のゴミが見えんのかい。

 

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J君のコーン茶がほとばしる。

 

 

 

舟を漕ぐのはカーンではなく、老人とその息子らしき少年の二人だった。カーンは船には乗らないらしい。戻ってきたら、酒が飲めるレストランがあるよ。と言い残し去っていった。

 


舟に乗り込む。老人が舟に乗って櫂を漕ぐなんて、まるでヘミングウェイですな。と思っていたら少年が櫂を握り、力強く漕ぐ。

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かなり上手い。きっと普段からこうやって働いているのだろう。勉強出来ず、言葉も喋れないが、舟を漕がせればピカイチだ。

 


波の波紋を眺めていると舟酔いした。かなり頭が痛くなってきた。

 

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他の観光客も舟に乗っていた。

 

薄暗い川辺を下りながら、川沿いの灯りに照らされた建物を眺める。ヨーロッパさながらの豪華な造りだ。

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昔この辺りは王族やら貴族やらが川辺に住んでいたらしい。まぁ景色抜群だしね。

 


更に進むとあちこちで火葬の炎が燃えていた。キャンプファイアーの様に井形に薪を組み、24時間亡くなった人を燃やし続けるらしい。強烈な臭いがするのかと思えば、意外と無臭。

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インドでは火葬と水葬との二種類がある。子供や妊婦、不慮の事故などの場合は火葬にしないで、そのまま遺体をガンジス川に流す。ただ、火葬はお金がかかってしまうので、遺体を水葬する場合も多いらしい。


燃え切った遺体は日本の火葬の様に綺麗な細かい灰にはならず、焼肉のコゲみたいになる。火葬場の人が棒で突っついて川まで転がしていき、川に落とす。臭いを嗅ぎつけた野良犬とカラスが辺りを埋め尽くす。


そのすぐ横で沢山の人が沐浴したり、川の水を飲んでるから結構、カオスだ。

 

ようやく僕らを乗せた舟は今日の祭典の場所にたどり着いた。大小様々な船が寄せ集められ、綱で繋げてある。観光客を沢山乗せた船が多い。外国人がこれでもかってくらいカメラを構え、写真を撮りまくる。


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意味不明な音楽と太鼓の様な音、カメラのフラッシュに包まれて、なんとも不思議な場所になった。ターバンを巻いたガチ勢が陸地でお祈りを繰り返す。もうカオス増し増し。

1時間くらいその雰囲気を満喫した僕らは舟の縄を解き、戻ることに。

 


途中、一回試しに櫂を漕いでみようよってことで、実際にやってみた。

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息も合わず、タイミングも合わず、舟はグルグル旋回したりあさっての方向に進んでしまう。僕も佐世保学園で少しばかり鍛えたつもりだったけど、全くダメだった。

 


舟は違う場所に着いた。久美子ハウスよりだいぶ下流の場所。

全て予定調和なのだろう。岸にはカーンが立っていた。

早く来いよ。みたいなことをカーンは言い、またバイタクに乗り込む。ビールが飲めるレストランに連れて行くのだと言う。船酔いには迎え酒が一番。僕は期待に胸が膨らんだ。

 


レストランにつくと、カーンのくせに割と綺麗なレストランだった。中に入ると他の外国人観光客もいた。

僕らはそこでビールで乾杯。やっぱり酒って良いですなぁ。ちなみにおでこの赤いのは舟で物売り少女から渡された紅?チョーク?みたいなやつで、額につけると集中力が増すのだとか。集中してお酒飲みます。


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1時間程度飲んで食べて、そろそろ帰りますかって時にお店の店員は未会計だったのを忘れていたみたいだったので、こちらから教えるのも癪だから黙ってバイタク乗って逃げようぜ。という算段に。

 

インド人より非常識な日本人3人の食い逃げ作戦だった。

 

コソコソとバイタクに行き、カーンに出せ出せと煽る。
バイタクにエンジンがかかり、走り出したものの、すぐに気づいた店員が大声で走りながら追いかけてきたもんだから即刻バレた。

 


あっ、そういえば忘れてたね~なんて顔してサラッと会計を済ませたけど、心の中で舌打ちした。いやいや、こちらこそ忘れててすいません。みたいなことをインド人店員が言ってたので、案外この店員良い奴だったな、と少し食い逃げしようとしたことに心が痛んだ。

 


すっかり暗くなった夜道を走り抜け、久美子ハウスに帰った。

 


明日の朝、日の出を見たほうがいい。絶対に。カーンがそう提案した。どうやら舟で早朝ガンジス川に繰り出し、朝日を拝ませるよう舟をまた用意しておくよ。とのことだった。僕らは無論、OKした。

 


その時に、必ずガンジャを巻いて持ってきた方がいいぞ。カーンはそうアドバイスをくれたが、僕らも勿論、そのつもりだ。てかなんてこと言うガイドだ。

 


カーンと別れ、僕らは部屋に戻った。

疲れからか、僕とJ君はそそくさと眠りについたが、T君はまだ寝れなさそうだ。目を閉じて今日を振り返る。あまりにも濃い一日だった。4日目が終わってもまだ旅は半分以上残っていた。長すぎ!!

 

 

 

つづく。