しらぼ、

松本まさはるがSFを書くとこうなる。

2023-01-01から1年間の記事一覧

ザ・ノンフィクションよりノンフィクション

ドラマや映画、小説に貴方は何を求めるか? 息詰まるアクション?謎が謎を呼ぶミステリー? 僕はノンフィクションが好きだ。人間の本質が窺えるような、人間讃歌の作品。平凡で単調な人生を送る人なんてほぼいなくて、誰しもが掘り下げてみると悩みと絶望と…

パンツに穴が開いた。 それはまるで最初から決められていたかのように、そこに穴があった。 用を足す時にパンツを膝のところまで下げた時に私は見つけた。 直径4センチほどの穴。 あぁ。開いてしまった。穴が。 私はつぶやいた。 直径4センチの穴。 すぐに履…

残暑とは ショートパンツの 老人よ

残暑とは ショートパンツの 老人よ 1957年の俳句文芸句集に載せられた星野立子の俳句である。残暑のどの辺がショートパンツで、何が老人なのかさっぱりだが、彼女にとってそれが残暑なのだろう。まぁ、ショートパンツの老人みたいに残暑も嫌だってことなのだ…

走馬灯を作る

走馬灯が見えた、なんて表現がある。死にそうな思いをした時に見るやつだ。 元々は回り灯籠とも呼ばれ、影絵が回転しながら写るように仕掛けが細工された江戸中期頃の灯籠のことだ。 走馬灯が起こる原因は、人は死の危険に直面すると、助かりたい一心でなん…

まさはる流フランス語学習〜パツキンパイパン〜

ガソリンが181円になったり、正社員がリストラに遭ったり、非正規雇用がまかり通ったり、空前絶後の円安で世はまさに世紀末。今回はそんなSFみたいな時代のお話。 2月の東京。港区。 ビル風がダウンジャケットの中にまで忍び込む。通りを歩く人々が少しでも…

ハプニングバー界の大谷翔平

当初の開花宣言より早まった東京では、至る所にソメイヨシノが街に彩りを添えていた。歩く人々も足を止めては、その美しさに魅了されている。 日曜日の夕方。少し風が冷たいせいか、いつもより早足で僕はいつものビルに入る。 アルファベット一文字だけ書か…