しらぼ、

松本まさはるがSFを書くとこうなる。

2017-01-01から1年間の記事一覧

審美眼

「お前の審美眼を見せてみろ。」 悪天候の続く夏のお盆の最終日、僕はそんな挑発的な言葉を受けてしまい、動揺した。審美眼?なんじゃそら。である。 ただ、そう言ってきたおじさんは顎に生えた白毛と金毛の入り混じった髭を指で触りながら、眼は真っ直ぐに…

「時間にルーズ過ぎるのは人としてクソだな!」

「晴海埠頭行 6時59分着」と電光掲示板に輝く文字を見ながら、僕はワナワナと震えていた。背後にはローソン、正面にはバス停を見据える位置。そして、早朝の空は青く澄んでいて、どこまでも高い。腕時計を見ると7時。だが来るべきバスの姿は未だにない。続け…

上京タラレバ娘

僕は割と中華が好きだ。とりあえず最後に片栗粉でトロミをつけとけばいいという安易な考えで炒められた食材達と、日本食にはない独特な味。料理は専ら食べる専門なので、味付けがどうなっているのかは知らないが。その料理に黒酢をぶっかけて食べる。 黒酢が…

その女、デンマーク

今、左の乳首がヒリヒリする。ブログを書き出してから早いこと8年目になるが、いまでもこんな書き出しでブログを書けると思うと、日本はつくづく平和なものよと感慨深い。 今年も良い年になりそうだ。 さて、本題に戻る。左の乳首がヒリヒリするのだ。何故ヒ…

君に捧げるエンブレム

世の中の常識を不意に押し付けられる事がある。夜、友人と小汚い立ち飲み屋で酒を飲み交わしながら語りあっていた。年明け早々僕の語る来年の抱負を、まるで僕が存在しないかのように見事にシカトする友人。もはや会話にならない。僕のことが嫌いなんじゃな…