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しらぼ、

松本真青がSFを書くとこうなる。

おもろに。



おもむろ

という言葉が最近キテいる。
とにかく熱い。

どのくらい熱いのかというと、twitterの検索の話題の言葉になっていないし、他メディアでも騒がれていないし、そもそもおもむろという言葉を使う人が少ない。

僕と同居人のY氏の中でキテいるのである。つまりただのマイブームがマイルームの中で巻き起こっているのである。

じゃあ熱くないじゃないかと言われてしまえばそこまでだが、僕の人生観の中で今、確かに、キテいるのがこの、おもむろなのである。

日常生活の中でどのくらいの人が果たしておもむろにという言葉を使ってるだろう。

さてここで面白い問題を1つ。


「おもむろ」とはどんな意味でしょう?








おそらくこのshiraboの読者の皆さんなら、不意に、とか突然、とかの意味を想像したのかなと思うのだけれど、実はハズレです。





正解は、動作が静かでゆっくりとしている様。なんですね。

あら不思議。

そんな使い方だったなんて!

みんな知らなかっただろうなと思うと鼻の奥がムズムズするくらいざまあみろってくらい痛快なのだけれど、

実は今回僕もマイブームになって乱用してる頃に改めて意味を調べて自分が使い方を間違っている事に気付いてしまったのである。

だから酒は百薬の長の長を「おさ」と呼んでたY氏の過去をdisる資格は僕にもないのである。


実はこのおもむろ、もっと掘り下げてみると、実に面白い。(福山雅治風)

実は高年層の人は皆、おもむろという意味をゆっくりという正しい意味で知っていて、年代が若くなる程に、間違った「突然」とか「不意に」という間違った意味で使っているのである。

それがどうした。
全然面白くなんかないやい。

なんて思っている人は今すぐこんな記事読んでないでXVIDEOとかFC動画とか観て自分のポインセチアでも触ってなさい。
悪いものに取り憑かれてるから。


話を戻すけど、じゃあどうしておもむろという言葉が若い世代で間違った使われ方をしてきたのかというと、確たるものは特にないらしい。なんとなくそういう風潮で、そうなったのだと。

だからここからは憶測なのだけれど、


おもむろというのはすごいステータス的なものがまずあるのが前提である。おっさんとかではダメでおじいさん、それもかなりヨボなおじいさんがヨボヨボしながら床の間の引き出しから取り出した木箱なんかがおもむろにふさわしい。しかし、核家族化の進んだ現代ではなかなかそういった場面に出くわすことがない。だからおもむろという言葉自体使われなくなった。という説


2つ目に、おもむろという言葉の意味がゆっくりと動いている様の意味なのだけれど、現代社会において、ゆっくりなものが無くなってしまっているからではないだろうか。googleで調べればなんでも数秒で分かるし、飛行機や新幹線で短時間で移動できるし、レトルトですぐに食べれる時代になった。そんなときに、ゆっくりと時間をかけた動きという言葉の表現を自然と使わなくなったのではないだろうか。という説。

最後に、おもむろに出てくる物の付加価値がある場合が多いから。という説。これが僕の中では最有力で、おもむろに出てくるのにふさわしいものとして、だいたいヨボなおじいさんが取り出した木箱の中には、姿をくらませることができる依存性の高い指輪とか、その昔マッカーサーが飲んでいた薬だとか予想を超えるものが突然出てくる。そう。おもむろに、だ。だからこそ、急にとか、不意に、といった意味合いが若者の間では印象に残ってしまうのだろう。



日本語の良いところは、それが間違っていた使い方だとしても、一般的に広まっていて、それが伝われば問題なく使える、という許容範囲の広さである。たとえば、「役不足」「募金」「汚名返上」など実は間違って使われているのだけれどそれでも意味は相手に伝わる。時代と共に形を変えていく日本語の文化は新しいものをどんどん取り入れていく日本人特有の文化なのである。



さあここまで追求してくると余計に「おもむろに」を使いたくなってきた。だがいざ使おうと思ってもなかなか上手く使えない。そこれやっぱり話の展開とか背景とかいろんなファンタジーとかマッカーサーとか重なって初めて気持ちよく使える言葉なのだろうと思う。よし、思い切り気持ちいいおもむろにを使ってみようと思う。




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人通りの少ない夜道を1人歩く○美。

普段は母親に、
夜道は危険だから歩いてはいけないのよ。

と固く注意されていたのだけれど、今夜はつい遅くまで呑んでしまったせいでいつもはまだ人通りの多いこの道も、すっかり人通りが無くなってしまっていた。

並びにある不味そうなラーメン屋も、マッカーサーが使ってた薬とか売ってる胡散臭過ぎる薬局も、軒並みシャッターを閉じてその静寂を守っていた。

電灯のない中でも不思議と歩けてしまう夜道。

そう、今宵は満月。


満月がこの静寂なひんやりとした道を照らす唯一の街灯だった。

夜道を転ばないように、物にぶつからないように歩くにはこの街灯の明かりで十分だった。

だけど○美は怖かった。

そう、この満月が呼び起こす本当の恐怖を知っていたからだ。

それはオオカミ男みたいな童話の世界ではない。

いや、むしろもっと恐ろしいものだ。

欲望という棒に突き動かされた男が深夜、満月の光に導かれて路上に現れるということを。

そして○美の恐るべきことが、起きてしまった。

○美の歩く先の方から満月に照らさた男が1人歩いてくる。

それは○美の背後の方へ続く道を目指しているのではなく、○美という1人の女の子に向かっているということが、○美にも理解できていた。

そして本当にこれは恐ろしいことなのだが、そのときになっても○美は叫び声を上げて助けを求めることも、後ろに向かって走り出すことも出来ないのだ。

恐怖がいつの間にか、満月の光で作りだした○美自身の影が、○美の足首を掴んでそこから身体を縛り付けているような、そんな感覚だった。

夢の中でもがいて、でも上手く身体が動かせない、そんな感覚だった。

男が目の前に来た。

男はもう何かを得たかのような満足気な表情をしていた。

そのまま男の手が男の履いているズボンのファスナーにのびる。




ジーッ。



ファスナーが開く。○美はその瞬間も、逃げ出すことも視線を背けることも出来ずに、ただただ男を見ることしかできなかった。


男がズボンの中に手を入れる。

ファスナーの中から満月に照らされて恍惚と光るポインセチアが出てきた。おもむろに。





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あぁ!これ完璧じゃん!
すっげーおもむろ。マジおもだね。