しらぼ、

松本真青がSFを書くとこうなる。

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語 10

 

ここまでの旅を読みたい人はこちら↓

 

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語1 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語2 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語3 - しらぼ、

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印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語8 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語9 - しらぼ、

 

 

9:00

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外がだいぶ明るくなった頃、クラクションの音が耳に聞こえてきた。今回はバスの揺れに怯えることもなく、深く眠れていた。


外を見ると曇った天気模様の中、多くの車が行き交っていた。黄色いタクシーが多い。かなり発展した地域だ。コルカタには入っているはずなので到着はもうすぐだろう。


T君も同じタイミングくらいで起きた。が、外をしばらく見るなり、とりあえずまだ到着していない事を確認し、また眠り出した。

 

次第にバスが速度を落とし、やがて側道に停車した。片側3、4車線の大通りだ。どうやら着いたっぽい。僕はバスを降り後方に積んだ荷物を取りに行く。一緒に乗っていた少年が荷物を取ってくれたのだが、案の定チップをせがんできた。こういった対応にはもう完全に慣れたのでアッサリシカトする。


僕らを乗せたバスはまた次の目的地に向けて排気ガスを撒き散らしながら走り去っていった。今回の旅では最後の深夜バスになるだろう。遠くに去っていくのをぼんやりと見届けていた。


トイレをずっと我慢していた僕ら3人はすぐさま道路脇の壁に向かって並び、立ちションを開始。まずはJ君、その右にT君。その右に僕。って並びなんだけど、僕の正面でちょうど壁が途切れてて、目の前にはパイプ椅子にもたれた警察官が数人。どうやら交番の裏だったらしい。


あっ、やべっ。

 

って思ったものの素直な僕の股間は堰を切ったようにオシッコを撒き散らした。完全に警察官に向かってオシッコ撒き散らしてるという有様。まぁインドだからなんも言われないだろうって思ったけど、そんな期待も虚しく、オシッコに気づいた警察官がすごい剣幕で僕らの方にやってきた。

 

多分、「オシッコ止めろ!!」みたいな事を怒鳴ってる。


いいじゃないか立ちションくらいって思ったんだけど流石に背中にアサルトライフル背負ってる警察官に囲まれると焦ってきたもんだから、とりあえず常識のない観光客って感じにしてたらすっごい言葉責めをされて解放された。

 

最悪チップとかたかられると思ったから何もなくて安心した。明らかにニューデリーやガンジス周辺、ガヤよりも警察官の態度が横柄になっている感じだ。

 


「とりあえず、何も無くて良かったね!」


って僕が言ったら、T君が顔を青くして、

 

「いや、やばいっす!無いんですよ!」


って言ってるから、ん??コイツは何言ってんだ??状態に。


どうやらT君、さっきのバスの中にケータイを忘れてきてしまったらしい。あ、そっちですか。


インドの旅で撮ったたくさんの思い出もあの深夜バスと一緒に走り去っていったみたい。すっごい落ち込んでるけど、日本とは訳が違うからバス会社もわからんし、追跡手段も全く無く、諦めてもらうしかなかった。


T君、どんまいっす。


とりあえず僕らはこのバスの降り口からまだ数キロ先の空港を目指す。


近くを走るタクシーを止め(というかガンガンタクシーから声掛けられる)、値段交渉。適当に数台のドライバーの値段を聞き、相場を予測してそれなりの値段で決める。この辺の流れはバイタクと共通。


タクシーに乗り込み、走り出す。

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テンションの異様に低いT君。

 

インドって言えばニューデリーの方が有名なのかもしれないが、コルカタの方がかなり発展している印象を受けた。もちろん、僕らの旅したルートで受ける印象も変わるのだけれど。区画整備された碁盤の目の道路が伸び、ひしめく様に建物が並ぶ。

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2.30分程乗って、ようやく空港に到着。乗る便は夜中なので、一度空港に荷物を預けて、コルカタ市内に行こう、という事に。


空港の入り口付近まではスムーズに来れたものの、肝心の荷物の預け場所がわからない始末。

 

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入り口付近のスタッフに聞いても、いまいちよくわからない。おでこ広いし。結局預けるまでに1時間ほどかかってしまった。うーん、難しい。

 

とりあえず飯でも食いますか!と、空港ロビー外のレストランへ。外国人向けなのでビールもバッチリ置いてあった。外がなかなかの暑さだったので、ガンガンに効いた冷房が気持ちいい。


適当にチャーハン的なやつとかを頼み(何食べたか忘れた)酒を飲みながら、どこに向かうか計画を練ることに。

 

とりあえずタトゥーいれようタトゥー!ってなってGoogleマップで調べてみるといくつか出てきた。


とりあえず空港から近い場所に目星をつけて、そこへ向かうことに。外に出て、タクシーを捕まえる。とりあえずグーグルマップを運転手に見せてそこまで送ってもらう。


わずか5分程の位置でここだ、と告げられタクシーは走り去っていった。僕らの目の前にあるのはまだ開店時間前のデパート。せめて開店時間が分かればいいが、時間も分からなければデパート自体が潰れてるかも分からない有様。僕らはとりあえず近くにあるはずの別のタトゥーショップを目指した。

 

途中、薬局らしき店があったので、ダニさされ用の軟膏を購入。ネット情報だと日本の虫刺されの軟膏ではインドのダニ、虫刺されには効き目がないらしい。病気なんかもそうだが、やはり現地のものは現地の薬で治すのが良いみたいだ。


しばらく裏路地をうろついたものの、タトゥースタジオはなかった。どうやら二つ目に目指した場所は誤情報らしい。


僕らはとりあえず空港に引き返しながら他のレストランを覗いたが、酒がないor営業してない店ばかりで、諦めてもう一度空港前のレストランに入った。暑い中を小一時間も歩いたのでレストランのクーラーはまるで天国だった。


先程とはだいぶ客の減ったレストラン。ビールを頼み、飛びつくように飲む。美味い!!やっぱりアルコール大事っす。僕らしか昼からビール飲んでないだろう、って思ったら他のテーブルにもウイスキーを飲んではしょっちゅう表に出てタバコを吸ってるおっさんがいた。


会計を済ませて、外へ。

表にいたさっき見たヘビースモーカーおっさんに声をかけられた。なかなかの酔っぱらい度だ。インドでは珍しい。

 

どうやら他の酒を飲める店を教えてくれるとか言ってるらしい。なんとも親切な。なんか地元コルカタの威勢のいいチンピラおっちゃんって感じ。


とりあえずレストランの脇のジュース屋?売店で使い勝手の悪すぎる2000ルピー紙幣を渡して両替を頼む。しばらく待っても両替を渡して来ないので待っているとその店員は、

 

「金なんて受け取ってない。」


としらばっくれてきた。

やってしまった。両替するのであれば相手が代わりの紙幣を用意してから最後に渡すべきだったのに、先にこっちから渡してしまったので、しらばっくれられた。

 

説得して回収も出来なくはないだろうが、かなり時間かかるのは覚悟しなければならない。


やっちまったーっ。

と途方に暮れたところでヘビースモーカーおっさんが、なんだ?どうした?って聞いてきたんで、一件を話すと、おっさんがポケットから2000ルピー出して僕にくれた。

えっ、なんだ、このおっさん、

神さまかよ!!本当にありがとう!


お店を紹介してくれるという事で、出会って間もないのに親切にしてくれたヘビースモーカーおっさんと共にタクシーに。後から何人か知り合いらしき人が乗り込んできてタコ乗り状態のまま空港から出た。


こういう、いきなり親切にされたりタクシー乗ったら知り合いが後から乗ってくるパターンってのは海外では犯罪に巻き込まれる典型パターンなんだけれど、インドでの生活に慣れてくるといちいち警戒したりする程でもないなって考えに変わってきた。なるようになるさ。


この日何度も通っている大通り沿いを進み、車を止めた。中に入ると少し薄暗いバーのようだった。

 

普通にビールやらウイスキーやらかなりの種類の酒が置いてある。

 

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ヘビースモーカーおっさんの奢りっぽいので、それぞれ僕らは酒を頼んだ。最近ビールばっかりだったのでおっさんと同じウイスキーにした。うん、美味い。ご馳走さまです。

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それからなにかと頻繁に電話が鳴るおっさん。小難しい顔で喋っている様子を見ると、どうやら仕事かなにかのようだ。電話を終えたおっさんはこれから用事があるからここでサヨナラだ。的な事を言って去っていった。

 

バーに長居してもしょうがないので、僕らも表へ出た。おっさんの友達?が外に止めたタクシーに乗って僕らを呼んでいた。とりあえず、タトゥーいれれる所に行ってくれ!と伝えた。


しばらく走る。酔ってるのであんまりどこ走ってるのかはよくわからないまま。しばらく走ると賑やかな通りに出た。車を降り、ダイヤモンドプラザというショッピングモールに入る。

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(拾い画像)

 

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中に入ると、正方形の建物の中心にエスカレーター、周りにいろんな店舗が入っていて、日本にもよくある普通のデパート。PARCOみたいなイメージ。おっさんの友達のおっさん(めんどくさいからおっさんと呼ぶ)に連れられてデパートの上の階へ。


最上階にまで上がると、なんとそこにもバーが。際どい感じの格好の女性が席に着いた。日本で例えるとキャバクラに近い。PARCOのデパートの最上階にキャバクラがあるような強烈な違和感を感じつつ、酒を流し込んだ。


小一時間ほど酒を飲んだ後、店を出た僕らは下の階に。3階に行くとタトゥースタジオがあった。

 

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僕は今回タトゥーを入れるのを断念していたので、J君とT君がデザインを決める。タトゥーを入れるのは少し順番待ちらしい。おっさんもそろそろ帰ると言い出したので僕らは一旦表へ。


ヘビースモーカーおっさんの心の広さについ油断してしまったが、結局着いてきたおっさんの方は案内料としてチップをせがんできた。結構揉めたのだけれど決着もつかないので妥協してチップを払う。まぁ案内してくれたし。


またPARCOっぽいデパートの3階に戻った後、J君とT君はタトゥーを入れ始めた。僕は暇になってしまったのでデパート内を散策することに。

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ゲーセンとかもあった。やろうとしたけれど、ルピーの現金をほとんど持ってないので辞めた。

 


3階にマッサージ店があったので、そこに行ってみると、カードの読み取り機はあるのに、カード払いじゃダメだ!現金でよこせ!とか言われてしまい断念。

 

グーグルマップで周辺を調べるとどうやらこのデパートの横のビルにマッサージ店があるらしい。表へ出て向かってみる。

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なんとも寂れたボロい建物を入るとエレベーターが。ただ、めっちゃ古くて格子状になったゲートのタイプ。途中でぶっ壊れたりしないだろうか。乗り込み、適当な階で降りると、中は廊下が延びていて、部屋がいくつもある。ラブホテルみたいな感じだ。

 

強烈なのは建物の造りもそうだが、頻繁に出入りしているのがまだ10歳くらいの少女ばかりだった。完全にアウトな雰囲気を醸している。


とりあえず一階に引き返すと、受付の様なところがあった。値段を見ると1時間あたり4000ルピー程。約6千円。完全にそっち系のお店だろう。ロリコンでもないし、幼女は勘弁なのでそそくさと表へ出た。

 

ダイヤモンドプラザに戻り、お土産を買う。カルカッタのバザーとは違い、整った商品が並んでいる。

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買い物も長くは時間が潰せないのでタトゥースタジオに戻ると、二人のだいぶタトゥーも進んでいた。あと1時間くらいだろう。


暇を持て余していると、さっきのカード使えなかった店の受付の人が話しかけてきた。どうやらカードでも払えるから来て欲しい、とのことだ。よっぽど店が暇なのだろう。じゃあ仕方ねぇな、と言いつつホッとしながら僕は3階のマッサージ店へ。

 

受付を済ませて個室に入る。完全にそっち系の紙パンツを履いて待つ。あれ?ってかほぼ確定なのだけれど結局エロい格好の女が出てきてご想像通りの展開に。インドのPARCOにはキャバクラもタトゥーもエロエロマッサージ店もあった。

なんでもアリすぎるだろ。


心も体もスッキリした僕が1時間後にタトゥースタジオに戻るとJ君とT君のタトゥーが完成していた。

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なかなかの出来。そして、値段も安かった。デザインの持ち込み等は日にちをとるかもしれないが、ぜひコルカタでタトゥー入れる機会があればダイヤモンドプラザで。


さて、各々目的も済ませたところで、空港に向かうことに。表でタクシーを拾う。夜の10時30分。日本時間では夜中1時半くらい。

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かなりパンチの効いたタクシーで、窓を開けてタバコを吸おうとしたら窓ガラスが外れそうになった。


10分程でまた空港に到着。あとは2、3時間暇を潰して帰るだけ、の筈なのだがここで問題があった。


そう、持ってるガンジャがまだ結構残ってるのだ。流石に検問を突破して日本に持って帰ろうなんてリスクは負えない。じゃあ捨てるか、三人立ち尽くし、そう考えた時だった。

 


「じゃあ、吸いますか。」

 


T君がそう呟く。その瞬間、満場一致で決まった。やっぱ捨てれないっしょ、ガンジャ

 


新聞紙に残ったガンジャを紙にパンッパンに詰めて巻く。最後に形を整えて、完成。周囲を見渡すと、いくら暗いとはいえ警備員がいたるところにいる。空港のセキュリティはバッチリだ。ここで吸うわけにはいかない。


空港の中に入る。どうやら隅のほうに喫煙所があるみたいで、そこに駆け込む僕ら3人。中にはちょうど人がいない。が、ガラス張りのケース状になった喫煙所は完全に周りから見える。


ええい、なんとかなるさ!という勢いでガンジャに火をつけ、3人で回す。焦ってるのも多少あるからか、ガッツリ深く吸い込んでしまい、バッチリ決まってしまった。数分で残りのガンジャも無くなる。この旅もやがて終わるのを感じた。

 

サヨウナラ、ガンジャ

 


喫煙所から出た僕らはフラフラした足取りでとりあえず食べ物を探しに行く。お腹ぺっこぺこだ。だが、あまり店がなく、しらけたカウンターバーがあるくらい。


どうやらチェックインして検査を受けた後のエリアにいくつか飲食店があるらしい。普通に考えたらこのブリッブリで検査は危険だが、もうお腹空いて我慢できないので早速行くことに。


荷物を通し、ボディチェックへ。

以前韓国の釜山港ターミナルでは検査官に呼び出された挙句携帯に撮ったたくさんのアダルトグッズ、ラブホテルのエロビデオ画像を見せるという恥辱を受けたので、あまりボディチェックにいい思い出はない。

 


銃を背負った検査官の前の小さな台の上に立ち、両手を挙げる。チューするんじゃないのってくらい顔を寄せてきたりポケットをチェックしていく。


ガンジャの匂いがしたら多分相当めんどくさいことになるぞ、と思い検査中は息を止める。絶対にキマッてるそぶりをすれば検査に引っかかる。少しの辛抱だ!


とそんな肝心な時だけどやっぱりガンジャ吸ってて愉快全開なもんだから、この検査官の顔がまぁー面白い。

 

なんでこんな顔してんの?みたいな、まるでインド人みたいだな、とか考えてしまうと今度は笑いを堪えないといけない。

かなりしんどい。爆笑したら薬物乱用者系と思われて検査されてしまう。飛行機に乗れるかもわからなくなる。絶対に笑ってはいけない。

 

松本、アウト!になる。


死闘の数分の結果、最後の方はめっちゃ舌を噛んで笑いを堪えて無事終了。

T君とJ君も無事終了。よかった。てかあの検査官顔面白すぎる。

 

無事終えた僕らは急ぎ足で飲食店エリアへ。モモ(肉無しの餃子)の店を発見し、大量に買う。うん、美味い!貪るように食べる僕ら3人の姿は結構いっちゃってる。

 

空腹を満たした僕らは、残りの時間を潰すべく、トランプを始める。旅してて思ったのは、様々な場面で訪れる待ち時間を攻略するにはトランプが一番だということ。もちろん、複数人の旅だが。

 


最後に吸ったガンジャが相当な量だったのか、結局飛行機に乗り込む時もフラフラとしながらなんとか乗り込む。


席は3人並び。飛行機が離陸した時、サヨナラインド!って気持ちになるかと思ってたけど、右も左もインド人ばっかりでカレー臭いからあんまり帰る実感湧かなかった。インド人ってやっぱり臭いな。

 

 

 

 

こうして、僕ら3人の12日間に及ぶ、タイ、インド放浪は幕を閉じた。

タイのバンコクではゲイを払いのけながら酒を飲み、1400キロを超える北インド横断は様々な、強烈な文化と人々と交わりあい、また一つ、成長出来た気がした。

 

そして一緒にノリで旅行に来てくれたJ君、T君に深い感謝を捧げる。

 

 

きっと僕ら3人は思ったに違いない。

 

またいつか、来よう…

 

 

 

 

 


ガンジャでも吸いに。

 

 

 


 

 

 

 


駄文、長文ですが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!