しらぼ、

松本真青がSFを書くとこうなる。

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語9

 

ここまでの旅を読みたい人はこちら↓

 

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語1 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語2 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語3 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語4 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語5 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語6 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語7 - しらぼ、

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語8 - しらぼ、


11/3 10:00

 


いつもより少し早めに起きた時にはまた新たなダニに大量に体を喰われていた。かきむしると血が出るので我慢する。

 


T君もJ君もまだぐっすりと眠りについていた。部屋のシャワーを使うと、前日まで泊まっていたホテルよりも幾らかお湯の出も良い。シャワーの後に大便すると、肛門がはちきれんばかりにヒリヒリとして痛かった。完全に栄養バランスを見失った食生活が祟っている。

 


これだけの期間を異国の地で過ごしてみると、案外英語とか無理でもなんとかなるという感覚が身についてきて、一人でぶらぶらしてみることにした。

 


外に出ていつもの道を歩く。数頭の牛と乞食とすれ違い、数軒のボロい家を通り過ぎる。いつものお店でアイスクリームを買い、頬張る。いつもの味がした。

 


砂埃を立てながら沢山の車が走る大通り、ドマハン・ブッダガヤ・ロード(もちろん後から知った)を無理やり渡り奥の道を進む。携帯で調べた感じだとこのあたりに飲食店やら出店があるようだった。

 


実際に着いてみるとほとんどの店がシャッターを閉めたまま。おっさんが一人、プラスチックの椅子に座ってタバコをふかしている。

 


なんとかカタコトの英語で会話してみると、どうやらほとんどの店が閉店している様だった。昔は日本人の日本料理の店もあったらしい。おっさんの骨董品店は一応開いていたが、客がいない間はこうしてタバコを吸っているようだ。

 


ついでにこれから向かうコルカタまでのバスのチケットの買い方を聞いてみた。普通、このタイミングでチップを渡さないと嘘をつくか、適当な返事しかされないのだが、このおっさんは丁寧に教えてくれた。そればかりか携帯を取り出してどうやらバスターミナルまで送ってくれる人を頼んでくれているようだ。本当にありがたい。

 


骨董品店を見てあげないといけないのかなと思ったら、誘い一つされなかった。とてつもなく優しいおっさんなのか、僕の見た目が余程金の無い旅行者に見えたのだろう。

 


しばらくするとバイクに乗ったもう少しだけ若めのおっさんが登場した。バイク2ケツで早速バスターミナルへ向かう。大通りに出て2、3分進んだ場所にバスターミナルはあった。わりと広く、バスもかなりの台数だ。30台くらいはある。バスに乗り込む人達の姿もあった。

 


受付らしきところで今夜乗れるバスを訪ねると、どうやらあったみたいだ。一人400ルピー。破格値だ。470キロ程の距離を600円で移動できる。

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早速どのバスか見せてくれ!と伝え、案内について行く。

 

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遠目で見て内心「このバスじゃありませんように。」と祈ったバスにぐんぐんと近づいて足を掛けたところで半ば諦めはついた。

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中を見ると前の深夜バスよりも一目瞭然で、ランクがだいぶ低い。


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これ絶対寝るの辛いだろ、ってか途中でブッ壊れないか?と心配しかないが、足元に割れたモニターが無いだけ良しとした。

まぁ、なんとかなるさ。


独断で決めるのは悪かったので、一応動画を撮り、一旦宿に戻ることにした。

 

部屋に戻った頃には12時を回っていた。まだ安眠を貪る二人。

しばらくすると起きたのでバスの話を伝えると二つ返事でオッケーとなった。とりあえずまだチケットを買いに行く時間は有り余るのでトランプに精を出す。

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しばらくトランプで遊んでいると、部屋にノックが。もしや…と思ったらやはりその通り。ビシャールがやってきた。

 


グッモーニンネー!

 


昨夜の落ち込み気味のビシャールとは一転、テンションが高い。多分吸ってから来たのだろう。

 


で、どうやら今日も案内をかましてくる訳ではなく、僕らに案内代のチップをせがみに来たらしい。気持ちだけ欲しい、とのことだった。

 


うろ覚えなのだけど、J君が1000ルピー、僕が500ルピー、T君は全くあげなかった。僕らからすれば充分過ぎる額なのだけど、よっぽど過去の日本人観光客が気前良かったのかビシャールは露骨に、マジかよ、って顔してた。うるさいな、気持ちだろ?文句言うなら金返せ。

 


さすがにこの空気の中でもっとくれ、とはビシャールも言えず、ブダーのご運あれ!とか、シヴァー!とか叫びながら帰っていった。最後までイカれた奴だ。でも、この旅を振り返ると絶対に欠かせない奴だったのも確かで、またいつか会いたいと思った。

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バスのチケットを取り、外の出店で適当にチャイを啜る。だんだんと日が暮れていく。3日ほど滞在したブッダガヤの濃厚な日々を思い起こすとこの土地を去るのは少し寂しく感じる。それと同時に最終日のコルカタではどんな事が起きるのだろうか、楽しみでもある。

 


だいぶ薄暗くなってきた。深夜バスに備えて近くの売店で適当なお菓子や水を買い込む。

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バスターミナルに入り僕らの乗るバスの前に来ると、この薄暗さといい、バスのデザインといい、なんとも不気味である。

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記念にT君に前に立ってもらって一枚。なんかどっかで見たことある絵だなと思ったらこれLDHのHiGH&LOWと同じだ!って気づいたので是非ともここでコラボさせて欲しい。

 

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うん、やっぱり違うかもしれん。

 


という感じで乗り込んだんだけど今回もなぜか二人寝台と一人寝台に分かれていてジャンケン。今度は僕とT君で一緒の寝台になった。あぁ、勝ちたかった。

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バスにエンジンがかかる。前のバスよりもあまりにうるさくてビックリしてしまった。バスが走り出すと共に車体は大きく揺れ、風が吹いてゴミが舞う。カーテンもバタバタとはためく。これがバスだなんて!誰が信じるっていうんだ!!


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とりあえず暇なので、トランプを始めることに。皆カードが飛んでいかないように手で押さえながらの大富豪。

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ラクションが鳴り響き、手で掴まっていないと寝台から転がってしまいそうな中の大富豪。当然ながら1、2回で諦めて辞めた。

 


適当に菓子をぽりぽりと貪り、眠りについた。人間の身体とは良く出来たもので、この荒れ狂う揺れにもだいぶ慣れた。

 

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約471キロ。9時間弱。
起きれば最終地、コルカタに着く。それはつまり、旅が終わりに向かうという事。長く、そしてあっという間のインド放浪を振り返る。そして日本に帰ったら、無事に日本に馴染めるのか心配になってしまう。

 


そんな事を考えているうちに、自然と眠りについた。

 

つづく。

 

 

次回はついに最終話!

警察とトラブったり、チンピラと酒飲んだり、空港でガンジャ吸いまくったまま身体検査を受けることに。無事に帰れるのか!?お楽しみに!