ぶっはー!!!
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印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語1 - しらぼ、
印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語2 - しらぼ、
印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語3 - しらぼ、
印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語4 - しらぼ、
印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語5 - しらぼ、
11月1日昼12時。
昨夜のマンチ飯から部屋に戻り爆睡した僕らは昼まで寝てしまっていた。
と思ったらどうやらJ君は一足先に何処かへ出かけてしまったらしい。部屋には僕とT君の二人になった。
身体がめっちゃくちゃ痒い。肌には腕も足もビッチリとダニに食われた跡が。100箇所は軽く超えている。これまで何箇所か宿に泊まって気づいたのだけれど、ダニにも好みみたいなのがあるみたいだ。三人で同じベッドで寝てもダニに食われる人と食われない人がいる。どうやらこの宿のダニは僕の血が大好きみたいだ。
とりあえずJ君が戻ってこないことには出かけてしまうとバラバラになるので、洗濯することにした。インド初日にエアロシティのセブンで買った固形洗剤で洋服を擦り、水で流しては絞る。部屋は4階だが、上が屋上になっていて干せると宿の主人に言われていたので早速持って行った。
先着の洗濯物が沢山干してあってスペースがない。仕方ないので乾いてるやつからどかして詰めて干していった。
この宿は珍しくシャワーからお湯が出てきた。このソーラーの天日によって、お湯にしているのだろう。なかなかクオリティの高い宿だ。そして、空が綺麗だ。
程なくしてJ君が帰ってきた。昨夜歩いた通り沿いの出店を見たりしてぶらついていたらしい。そしてなんと、新たなガンジャの仕入れ先の開拓までしてくれていたみたいだ。あっぱれ。
とりあえず一巻きして、みんなで吸った。T君が着る服がもう足りないみたいで、J君がお土産に買っていた服をとりあえず試着することに。
あぁー。無理だね。
とりあえず、表に出た。昨日の夜に何人もいたうちの一人がいた。どうやらJ君はこのガイドの一人と意気投合したらしい。このガイドこそ、この旅の重要人物の一人、ビシャールだ。
Vishal ビシャール 19歳
レア度 ★★★★★
言語 ヒンドゥー語 英語(下手)
仕事 ブッダガヤガイド。熱心な信者。
特技 ガンジャ
趣味 ガンジャ
好きなこと ガンジャ
休日の過ごし方 ガンジャ
彼女 いない。募集中。
Facebookのリンク→Vishal Kumar | Facebook
とまぁ完全無欠な感じの彼はFacebookでも友達だし、僕のブログにいつもイイネしてくれるいい奴なのでぜひインドに旅行の際は会ってみてほしい。イケメンなので、インド人でも結婚相手にいいよって人は連絡してみてください。
どうやらこのブッダガヤにある沢山の寺院を案内してくれるみたいだ。早速僕らは着いていく。と、その前に近くの両替屋で日本円をルピーに替え、隣のコンビニでアイスを買った。インドで食べたものの中でこのアイスが一番美味くて、結局数日の間に10本くらい食べた。
このブッダガヤには沢山の寺院があるのだが、ブッダが広めた宗教が様々な宗派に分裂していったので、若干違うそれらの教えごとに別の寺院を建ててある。カラフルな色使いのチベット密教、タイの仏教、中国の仏教、深夜特急でも作者が滞在した日本の仏教の日本寺なんかもあった。要は聖地ってことだ。特にこのブログでは詳細について語るつもりはないので、気になる人は別途ググって欲しい。
めっちゃボウズがスマホで写真撮ったり、自撮りしていた。インスタにあげるのだろうか。
16時過ぎ。そろそろお腹空いたので、一行はとりあえず寺院巡りを辞め、飯を食べることに。近くに美味しい店があるよ。とビシャールに言われついて行く。
途中、足場があったりしたけど、こんな仕事絶対したくないな。どうやら塗装しているみたいだ。
レストランに着くと入り口には蝿が半端なかった。ブンブンブンブン飛んでいる。中に入るととりあえず蝿はいなかった。
あれ?これ、あれだよね?
とりあえずビシャールのオススメで。って感じでカレーとチャパティのセットを頼んだ。ノンベジとベジの2種類ではなく、もうベジタブルの一点推ししかなかった。ここにいる間は肉は諦めるしかないみたいだ。
4人でそれぞれ微妙に違うセットを頼む。僕はラッシーの他にコーヒーも頼んだ。
コーヒーが最初に出てきた。だいたいいつも勝手に砂糖入れられるか、ブラックって言っても「コーヒーって最初から黒いんだけど。こいつ頭大丈夫なの?」みたいな対応しかされなかったので、砂糖入れてないブラックのコーヒーが久々に飲めて感動した。そっか、ノンシュガーって言えばよかったのか。ブラックで通じるのは日本だけかもしれない。
次々と食事が運ばれる。うーん、大して美味くない。けどお腹空いてたから食べれないこともない。病院で入院中にカレーがでてきたらこんな味なんだろうな。
そんな味でもペロッと平らげた。会計はしれっとビシャールは僕らと一緒にしてきた。まぁきっとこっちのガイドは飯も奢ってもらって当たり前なのかもしれない。
僕らは外へ出た。タバコはインドでは案外厳しくて、屋内で吸えるレストランはほぼ無い。外でJ君とT君がタバコを吸う間はたかってくる蝿を払うのに必死だった。
17時30。もう薄暗くなってきた。
どうだい?僕の家においでよっ。と誘われたので、早速僕らはビシャールの家に行くことに。
途中めっちゃ小さい子犬とかいた。
道端を鶏も、犬も、牛も、人も同じように歩いている。誰も邪魔にしないし、誰も急いでもいない。他の地域ではもっと喧騒がすごかったけど、ブッダガヤでは時間がゆっくりと流れていた。
レストランから5分程歩くと、すぐ家についた。
赤煉瓦を積み重ねた青い扉のお家、これがビシャールの家らしい。なんとビシャールの手作りらしい!
すっげえ!って反応したら、ドヤ顔された。
早速、お邪魔することに。
入り口から腰をかがめて入り右に折れると4畳くらいの部屋に軋むシングルベッドが一つ。条件は揃ってもシャ乱Qの世界観とはまるで違う。ベッドをずらすと床(といってもそのまま地面)のくぼみにガンジャセットが置いてあった。やっぱ一応隠すのね。
早速どうぞ。ということでJ君から順番に吸っていく。一度に載せる量が玄人向けなので、僕なんかは死ぬほどむせた。
次はビシャールの番。お互いに火をつけてあげるのは友好の証。
グイグイ吸い込んでいくビシャール。えっいきすぎじゃない?大丈夫?ってくらいもう燃えかすも残らないくらいに綺麗に吸い込んで、
フィニッシュ。強すぎるだろ。
そのくせ全然ビシャール変化ないなぁって思ったのも束の間で、滔々と僕らにブッダの素晴らしさ、シヴァの素晴らしさを何度も繰り返して話してくるから、あーバッチリ決まってるじゃん。って分かった。
だいたいインド神話って話の設定も内容もメチャクチャだから、きっとバッチリ決まった奴らで話を作っていったんだろうとしか思えない。どのくらいぶっ飛んだ内容か知りたい人はリンク貼っとくので見てほしい。
バッチリ決まった僕らはそれから外へ出た。ビシャールが今度は世界遺産のマハーボディ寺院に行こう!と誘ってきたけどそんな決まってるのに大丈夫か?ってすごい心配になった。
そんな心配をよそに僕らはビシャールと共にマハーボディ寺院へ。若干距離があるからバイタクで行こうということで近くのバイタクに乗り込む。
10分もしないうちにどうやら到着したらしい。いや、ぜんっぜん大した距離じゃないんですけど!これビシャール決まってて歩けなかっただけだな。
地図で見るとこの位置関係。
左赤ピンが僕らの宿、黄色ピンがビシャールの家、そして右ピンがマハーボディ寺院。1キロくらいしかない。
到着した僕らはカメラ類の持ち込みが一切禁止とのことで、僕らは荷物預け所に携帯を預け、マハーボディ寺院へ向かう。
ネットの拾い画だとこんな感じ。
中に入ると金ピカピンのブッダがいた。どの宗教でも同じことが言えるのだが、信者は貧乏、そして教組は金持ち。それを祀る物にはふんだんに金が使われている。
皆手を合わせ祈る。並んで一列、押さないで、なんて文化はここにないので押したり引いたりごった返しになっていた。
なんとか寺院の外に出る。
周辺は芝で綺麗に手入れされていて、沢山の僧侶が修行したり、瞑想していた。
修行といっても手塚治虫漫画みたく針の上とかではなく、ずっと立ち上がったり座って上半身を倒したりを繰り返していた。昼の情報番組とかで[45分の運動と同じ消費カロリーをたったの5分で!]みたいな動きだ。皆汗をかきながらがんばっていた。
更に進むと小さな祠があって中にブッダの仏像がある。ただ、ポージングがおかしい。ビシャールの説明によると、この小さな祠の中でブッダは7日間片足立ちで目を開けたまま過ごしたらしい。カオスすぎるだろ。
更に奥に行くと、あの有名な菩提樹があった。この下でブッダはおよそ49日間瞑想して、悟りを開いたのだとか。
撮れなかったので拾い画。
こうして僕らは一通りマハーボディ寺院を満喫して、悟りを開きながらも、携帯機器を受け取り、この場を後にした。
どうやらビシャール、早く吸いたいらしく、もう我慢できなくてモジモジしていた。僕らはまた再びビシャールの家にバイタクで移動した。
時刻はもう夜の9時を回っていた。
家に入ると、今度は別の部屋に通された。どうやらこの家は案外広いみたいだ。小さい穴をくぐり抜け、別室に入るとそこにもベッドが一つ。僕らは並んで座った。
蚊がめっちゃいる。もう何十匹もいる。痒くなるから蝿よりタチが悪い。助けてビシャール!
するとビシャールがお香を焚いて部屋に置いた。どうやらこのお香の煙は蚊が苦手で、みんな部屋から逃げていくらしい。どうして蚊を殺さないの?と聞くと、ビシャールは答えた。
蚊も命があるから。輪廻転生。僕らが死んで生まれ変わったら蚊に生まれてるかもしれないだろ?だから命は大切に。無駄な殺生はダメなんだよ。
って語ってる最中にもう蚊がバッタバッタ床に落ちて死んでいた。いや、殺してるやん。日本の蚊取り線香より強力すぎるわ。
そんなことは全く気にせず、
「音楽を聞こう!」ビシャールは言った。
平成初頭の頃のようなだっさいデザインの携帯をWi-Fiにつなぎ、YouTubeらしきサイトで音楽を流すビシャール。
てっきりインドミュージックかと思ったら一昔前の洋楽のクラブミュージックだった。こんな汚いレンガの家の中でリアーナとかテキーラブンブンとか動画見てて虚しくならんのだろうか。
そんな心配をよそにビシャールはブクブクと吸い込んでは白い煙を吐き出していく。そして決まる。
ブクブク…
ブクブクブクブク…
ぷっはー!!!
ビシャールが決まると定番の神々の話が始まる。そんなのいいから早く吸わせろよ。T君が日本語で愚痴る。確かに。EDMが流れ続ける。狂ってるわ。
あ、そういえばビシャールで友人の結婚式のお祝いメッセージ撮らなくていいの?ってJ君に聞いたら即答で、
「いや、無理っす。これ結婚式で流したらイカンやつっす。」って答えた。
J君が吸おうとすると、ビシャールはマントラを唱え始めた。いまから吸うガンジャに祈りを込めたりしているんだろうけど、簡単に言うと秋葉原で「おいしくなーれ❤︎」って魔法かけてもらうのとプロセスは同じ。このマントラがまた長くて1分くらい唱えるから僕もT君もめっちゃ舌打ちしていた。
動画で全部撮っているから本当は動画そのままあげたいのだけれど、このはてなブログのサイトの仕組み上、静止画しかアップできない。非常に残念。
みんなでバッチリ決まって、適当にビシャールには熊本弁教えておいて、夜も10時過ぎくらいになったので、部屋を出た。こんもりとあったガンジャもあっというまに無くなってた。
部屋を出て徒歩でホテルへ。帰りにもちろんコンビニ寄ってアイスを買った。そして宿へ。
すっごい不思議な一日だった。こんな時間を過ごしている間にも、日本ではハロウィンのトラック横転事件とか話題になってたり、サラリーマンが朝から晩までスーツ着て働いたりしているのだろうか。信じられなかった。
常識がぶっ壊れる国、インド。残り日数半分切ったけど、トコトン楽しもう。そう胸に思い、眠りについた。
つづく
次回予告
次回は観光地でもない山奥にひっそりと住んで何十年もガンジャを吸い続ける仙人に会いにいきます。乞うご期待。