しらぼ、

松本真青がSFを書くとこうなる。

印度放浪記 ガンジャとカレーと深夜バスの物語2


10月27日22時過ぎに僕らのタイ航空はインディラ・ガンディー空港に到着した。外に出ることなく通路に入っていくので暑さはよくわからない。

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かなり長い通路を抜けて、今回の旅の難所、アライバルビザの発行へ。

 


もともと日本でインド大使館に行ってクソみたいな手間のかかるビザの取得を済ませてからじゃないといけなかったのが、昨年?あたりから現地でそのままビザがとれるようになったらしい。そんなアライバルビザは日本人くらいが恩恵を受けられるらしく、なんだ、インドいいやつやんっ。ってなった。

 


ビザを取得して手荷物のベルトコンベアの列に行くと、僕たちだけ遅かったからか、J君のトランクとT君のバックはすでに床に転がっていた。誰かが持って行って盗まれても文句ひとつ言えないセキュリティ。インドの洗礼ってやつですか。

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※実際の写真

 


両替のレートは悪いらしいがよくわらないのでとりあえず2万円くらいをルピーに。それから今夜の宿は空港から隣駅のエアロシティ周辺で探すことにした。

 


トリバゴでなんとなく相場とホテル街の位置は把握していたけれど、もうここは日本でもタイでもない!せっかくインド来たんだからと、現地でホテル探しすることに。

 


1人30ルピー、45円くらいでかなり機嫌の悪いスタッフと睨み合いながらも地下鉄に乗り、10分弱。ようやく僕らはインドの外の空気を吸った。

 


運動場の砂埃みたいな埃っぽい空気。湿気はなく、涼しい。

 

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しばらく大通り沿いに道を進んでいく。環八とか246の横を歩いてるイメージでOK。けたたましいクラクション。黒い排気ガス。ヘッドライトに照らされた乞食の少年少女。

 

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「プリーズマネー」

裾を掴んでどこまでもついてくる子供達。すごい戸惑ってしまったけれど、断り続けた。

 

道路を渡り、ホテル街へ。道路沿いにはいかにも綺麗なホテルが立ち並ぶ。一泊1人3000ルピー。4500円。そんな贅沢な旅をするつもりは全くなかった。

どこも高そうで戸惑っていると、どうやら横道に入った裏路地に入ると安宿が多くあるようだった。

路は電灯もなく、暗闇で、野良犬の目だけが光っている。


何人もの客引きが、BARだのホテルだのと声をかけてくる。ぼったくられるのが関の山。僕らは無視してホテルを当たってみる。木の戸を押すと土壁のような入り口に店主が。照明には見たことない種類の虫が飛び回る。

 


1人500ルピー。店主は言った。

しかし宿が汚すぎて僕ら3人は閉口した。他にもあるだろう。僕らは表に出た。

 


さっきまでの客引きは諦めたのか、1人だけを残して、皆去っていた。

肌は浅黒く、茶髪、他の客引きよりもかなり上手な英語を使ってくるその少年に、なんとなく好印象を持った。

まぁ結局僕は英語全然わからないからJ君とT君に話をしてもらった。なんか割とコスパの良さそうな宿があるらしい。

 


僕らは彼に着いていくと、すぐ近くのホテルを指差し、そして入って行った。

料金は3人一部屋で、1人日本円で800円でいいとのことだった。およそ500ルピーちょい。中を見てから決めよう、と言ったがなんだか勢いでもう決めてしまっていた。もうなるようになるさ。

 


部屋に入る。割と綺麗。

窓際の小型のエアコン、テレビ、ダブルベットが一つ。トイレ、シャワー。申し分なかった。と思ったら早速申し分あった。シャワーの水がめっっちゃ弱い。

 

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マジかよ、ってなったけどやはりこれがインドなのだろう。結構高いテンションで写メを撮った。

 

とりあえず外をぶらぶら歩いてみるか、と思い外へ。来るとき見かけたセブンイレブンに向かった。

 

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中はこんな感じ。インドらしくカレーも売ってある。レッドブルマウンテンデューもあるが、値札が無いので買わないといくらかわからない。夜間には入り口に銃を構えた警察が立っていて、レシートの確認、ボディーチェックが行われる。すごいなぁ、日本なんて夜のセブンの入り口はヤンキーとアル中しかいないのに。

 

 

 

そそくさと買い物を済ませ(みんなレッドブル)表に出るとまたさっきのホテルを教えてくれた少年がいた。すでにT君と意気投合し、めっちゃ仲良くなってる。どうやらガンジャ欲しいか?みたいな話らしい。酒は?と聞くと酒の方がどうやら手に入れるのが難しいらしい。ガンジャ3グラムくらいで1000ルピー。とりあえず買ってみた。ホテルに戻るとホテルのボーイが、俺が巻いてやるよっ!ってなんか粋がってきた。

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水耕ではないので、土がついている。それを丁寧に取り除きながら細かく擦っていく。巻く用の紙もすぐ近くで売っていた。タバコの葉を混ぜて、いざ吸ってみる。マズイ。かなり、マズイ。そういや僕、タバコ吸わないからこれ無理だわ。ってなった。

 


それでも2、3本巻いては吸ってみるとあら不思議!とってもいい気分に。

お酒飲んでるのと同じ感じ。ただ煙っぽくて喉が少し痛い。

「ビールもあるぞ。」とボーイが勧めてきた。中瓶一本250ルピー。裏ルートだからか、高い。が、俄然呑みたい。頼んでしばらくするとキンキンに冷えたビール瓶が出てきた。インド最高やん!結局朝までに4.5本飲んだ。

 


そしてここで日本から持ってきた幻のトランプの登場。実は今回の旅行の前に僕だけ、大阪→神戸→奈良→京都→羽田→タイ→インド というハードな旅になっていて、神戸のオカマBARの名刺をババの代わりにしてババ抜きしたい!と道中ワクワクしながら持ってきたのだ。

 

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笑ったらアウトのルールでババ抜きしていくんだけど、もうみんなバッチリ愉快な気分なので笑いが止まらない。

吸って、飲んで、笑って、気がついたらもう朝の5時だった。最高の夜だ。

 

 

 

10月28日昼の12時ごろ起床。

ションベンみたいな色と勢いのシャワーを浴びて準備を整えたら、外へ。

 

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明るくなってホテルの外観を見るとそのボロさが滲み出ている。韓国旅の時もそうだったけど、夜泊まると翌日見る宿の外観の見すぼらしさに鳥肌が立つ。


話し合いの末、今日の目標はエアロシティから地下鉄でニューデリー。列車の券を買ったらバザーを見に行こう、という流れだ。

翌日の最高の気分もあって、今日もなにかいいことあるかもしれない。そう思った時だ。

 

路上の売店で声をかけてきた。

「ビールがあるぞ」と。

 

インドのお酒事情は、州によっては飲酒が禁じられている。地域によっては合法なところもあるが、販売されてではなく、BARや飲食店などの限られた場所のみだ。それなのに、いま昼間っから売店にビールがあるという。こんな奇跡みたいな話はない!やはりツイているぞ、と思い二本買って400ルピー払った。

 

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ノンアルやないかい!!!

 


ノンアル二本で600円は高すぎるぅぅ。

 

 

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落ちたテンションをエアロシティのマスコットキャラは「どんまいっ」と言ってくれているようだった。

 


再び地下鉄でニューデリーへ!


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ここが都市ニューデリーの駅正面。

バスとタクシーが無造作に走り、その間を人と野良犬が縫うように歩く。

 


カウンターにはどれも長蛇の列があった。ツーリスト用の窓口がどこかにあるはずなんだが…どこだろう??

近くの警官や窓口の人に聞くと皆、

「あっちだぜ!」

って指差すんだけど、それが毎回バラバラで、どうやら皆かなり適当に教えているらしかった。いやきっと、誤解されて違う説明をしているだけなんだ!と信じたかった。

 


途方に暮れ1.2時間。T君が執念の甲斐あってようやくツーリスト用の窓口を見つけてくれた!ありがたや。

 

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どうやら建物を抜け長いプラットフォームを渡り、その先の建物を抜けた先の二階こっそりとあった。絶対わかるか!!こんなもん!!

とまぁ、なんとかアグラ行きの2等列車席を買うことができた。夕方18時30出発の便で1人50ルピー。75円。

 


よし!という感じでこれから電車までの時間は近くのバザーを見に行くことにした。

 

駅からバザーまでは歩いすぐの距離だった。遠回りしたくなくて、路地裏の中を抜けていく。

 

表の通りから一本入ると、ゴミの山だった。混沌。

 

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ゴミの中に住む人。

 


カラスと食べ物のゴミを奪い合う7.8歳の女の子。

 

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衰弱した犬。

 

 


旅の本とかYouTubeとか沢山見てきたけれど、やはり現実に目のあたりにするとレベルが違う。

 


5分程歩いてバザーのメイン通りに出た。なんだか死の淵を垣間見てきたから、バザーの活気はまるで命が漲っている様に感じた。

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数百メートルは続いているであろうこの通りには、ツーリスト用の物がメインで売っていて、衣服、民芸雑貨、とりわけターバンやストールといった生地が沢山売ってあった。

 


J君は一目惚れした黒革の鞭を即購入し、嬉しそうにピシッ、ピシッと降っていた。どういう使い方をするのかが、楽しみだ。

僕は手ブラで来てしまったので、どうしても着替えの服を入れるバックが欲しくて、オッサンから購入。250ルピーだったので120ルピーまで値切ったら、アンタはノーブララザーだよ、と笑っていた。値切ってもぼったくっても、済めば後から文句を言わない。それがこの国の商売の気風なのだろうか。

 

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時刻が迫ってきた。僕らはまだ心残りのあるバザーを後にして駅へ。ホームには座りこんでいつ来るとも分からない列車が来るのをのんびりと待つ人達。


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ちなみにこの光景は日本では日曜日の始発ごろの大江戸線六本木駅でも観れる。

 

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恐らく合っているであろう電車に乗り込む。

向かい合わせの三段シートになっていて、壁に書かれた番号のところにとりあえず座る。すぐにインド人夫婦が相席になり、場所が違う、と言われてしまう。チケットを見せて話をしてみると、どうやら場所はあっているが、相席なので僕らはもちっと詰めて座らないといけないらしい。アグラまで3時間程だから、まぁ仕方ない。

 


それから彼ら夫妻とぼちぼちと話をしてみると案外優しいご夫婦で、降りる場所に着いたら教えてあげるよ、との事だった。

 

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一人分のスペースはこれくらい。

 

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移動販売のカレー。100ルピー。ノンベジで頼んだのでチキンが入っている。ちなみにこれがインドで食べたカレーで三本の指に入る美味さだった。

 

食べ終わったゴミはどうしよう、とあたふたしていると相席の夫婦に、

「窓から投げて捨てるんだよ」

と言われた。これがこの国の国民性ってやつですか。だからゴミが多いんだよ。

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また別のカレーが来たのでこれも買う。150ルピー。3種類のカレーが入ってるけど、全部味が似ていて差がない。全く美味しくなくて、半分くらい残した。

 

 

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寝台の上によじ登って横になる。

車内の喧騒、列車の音、扇風機のカタカタという音。

インドといえばカレー。くらいの知識と、知ったかぶりしていたインド観念を毎日毎瞬覆されながら日本の国についても考えてみたりした。

 


ぼんやりとしながらも、列車は次の街アグラへと走っていく。僕は期待に胸が膨らんだ。

 

続く。